
蝉川泰果
◆男子プロゴルフツアー バンテリン東海クラシック 第1日(28日、愛知・三好CC西C=7300ヤード、パー71)
第1ラウンドが行われ、蝉川泰果(フリー)が2度の4連続を含む11バーディー、1ボギーで大会記録を2打更新する61をマークし、プロ初の首位発進を決めた。現在の賞金ランクは3位。4月の関西オープン以来となる今季2勝目、通算4勝目を挙げ、同ランク1位の中島啓太、2位の金谷拓実を猛追する。
ゾーンに入ったかのようなラウンドだった。蝉川自身は「ゾーンという言葉がよくわからなくて…」と首をかしげつつ「イメージいいなとしか感じていなかった。イメージが出ているときをゾーンと呼ぶのか、それとも自分のいいときをゾーンというのか、よく分からないが、間違いなく12番のバーディーが乗るきっかけだった」と振り返った。
前半12番パー5で、3メートルのフックラインのバーディーパットがカップに消えた。「悪くないな」。一気に流れに乗った。13番で7メートル、14番で2メートルを決めきると、15番パー5は2オン2パットで4連続バーディーを奪った。
ピン型から変更し、試合で初めて投入したマレット型のパターが活躍した。前日27日のプロアマ戦後、練習グリーンでピン社の「プライムタイン4」を打ってみた。「すごくフィーリングが良かった。今日はマレットで行こうと決めて、結果的に良かった。7メートルくらいのパットが入ったのも久しぶり」。グリーン上で自信をもてた分、ショットへのプレッシャーは軽減。自然と笑みが漏れた。
アマチュアで優勝した昨年の日本オープンの予選ラウンドと同じ、河本力、桂川有人とのペアリングだった。「すごくしゃべりやすい先輩方で、リズム良くプレーしやすい。力君は盛り上げてくれるので、久々に楽しいなと感じながら回っていた」と感謝した。
11アンダーまで伸ばして迎えた上がり2ホールはピンチの連続だった。「もう(大会レコード)確定でしょ」との河本の言葉にスコアを意識したことを、冗談めかして明かした。後半8番パー3は第1打をグリーン右前のバンカーに入れたが、3メートルをねじ込みパーをセーブ。「あのパーパットを決め切れたのはマレットのおかげ」。9番はティーショットを左林に曲げ、真横に出すだけ。1メートル半残ったボギーパットを決めた。
前週のパナソニックオープンは予選落ち。シャフトが0・25インチ長い新しいアイアンを投入したところスイングが乱れた。週末は体調を崩し、練習できずに部屋にこもった。「逆に切り替えられた。またもう一回やろうと思えた」。気持ちが自然と高ぶった。賞金王レースは3位につけている。「そんな簡単なところではないところまで(上位2人が)伸ばしちゃっている。終盤のビッグトーナメントまで、ちょっとずつ縮めたい」。初出場の大会で頂に立つ。