
18番、イーグルパットを沈め、ギャラリーの歓声に応える松山英樹(カメラ・渡辺 了文)
◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス 第1日(16日、宮崎・フェニックスCC=7042ヤード、パー71)
4年ぶりの日本ツアー出場となる2014年大会覇者の松山英樹(LEXUS)は1イーグル、6バーディー、ボギーなしの8アンダー。14年第2ラウンドの64を上回る大会自己ベストの63をマークし、単独首位発進を決めた。
ホールアウト後に「自信を持って出られるような状況ではなかったけど。11番で、いいバーディーを取れたので、そこから落ち着いてできた」と振り返った。パー3で5メートルを沈めた前半11番でバーディーを先行させ、波に乗った。
18番パー5で、残り226ヤードの第2打を4アイアンでピン左1・5メートルにつけてイーグルを奪った。ピン手前20メートルに着弾し、フックラインを描いて寄った一打に大歓声が沸いた。しかし本人は、「たまたま転がってくれて寄りましたけど、ミスショットです」と厳しいジャッジをくだした。
14番から、精度の高いドライバーショットが続いた。最終9番は第1打を左林に曲げながら、前方の木と木の間を抜く“スーパーフック”の第2打を花道まで運び、パーを拾った。「いいホールと、最後もそうですけど、悪いホールがはっきりわかれているので、そこがもう少し狭まってくれば自信を持ってプレーできるかなと思う」。
1か月前に日本で開催された米ツアー、ZOZOチャンピオンシップは51位に終わった。日本に残り調整を続けたが、大会後10日は風邪で体調を崩した。ダンロップフェニックスの開幕前には「練習も最初の方は全然できていなかったが、少しずついい状態になりそうな部分もある」と語り、「今の方が不安はあるけど、今の方が良くなるんじゃないかなっていう期待感はある」と独自の言い回しで、現状を表現していた。
この日の18ホールで、その「期待感」を体現してみせた。「今日だけで判断するのはどうかなと思うけど、まあ、よかったなと思う。ただ、いつ崩れるか分からないという不安はある。ここ最近ずっとそういうプレーだし。でもいいショットが打てていたし、パットも、そんなに大きなミスなく終われた」。大会主催者と契約するホストプロとして、これ以上ないスタートを切った。
ホールアウト後は練習場で1時間10分にわたり調整。東北福祉大の後輩・杉原大河に、身ぶり手ぶりを交えてスイングのアドバイスを送る場面もあった。最後は50人近いファンにサインし、コースを後にした。「明日以降もしっかりと伸ばして、最終日をいい位置で迎えられるように頑張りたい」。9年ぶりの大会2勝目へ、独走態勢に持ち込む。