
キャディーの夫・森川陽太郎さんとともに好発進の横峯(カメラ・今西 淳)
◇女子プロゴルフツアー 北海道meijiカップ 第1日(8日、北海道・札幌国際CC島松C=6642ヤード、パー72)
雷雲接近で中断後にサスペンデッドとなり、71人が競技を終えられなかった。順位は暫定。ツアー23勝の横峯さくら(39)=エプソン=が3バーディー、ボギーなしの69で回り、今季自身最高の3位発進を決めた。首位と1打差で、10年9か月ぶりの優勝を狙う。前週のAIG全英女子オープンでメジャー&米ツアー初優勝を飾った山下美夢有(みゆう、24)=花王=は12番まで回り、1アンダーの21位。入谷響(19)=加賀電子=、森田遥(29)=フリー=が4アンダーで首位に並んだ。
39歳の横峯が悪天候の中断前に好スコアをたたき出した。13番は1メートルに乗せ、14番はグリーン右ラフからチップインで連続バーディー。16番は8メートルをねじ込んだ。22年大会は2位に入り「相性? 悪くない。北海道はご飯がおいしいから」と笑ったが、今季自己最少の69で暫定3位。難コースをボギーなしで回り「久しぶりでうれしい」と目を細めた。
09年国内賞金女王は今季、出場18戦のうち14戦で予選落ち。最高36位と低迷し「最悪」と嘆いた。復調のきっかけは、試合がなかった前週。夫でキャディーの森川陽太郎さん(44)との夫婦会議だ。自身と夫で「7対3」だったパワーバランスを、夫に全権委任する「10対0」に変更。「(自分は)イエスマンじゃないけど、そういうイメージ」と主従関係を逆転させた。
「私より私のスイングを理解してる」。全幅の信頼を置く夫にクラブセッティングや戦略と全ての決定権を託した。開幕2日前の6日。持ち球のフェードに加えての習得に苦労してきたドローの打ち方を夫から教わり「急に打てるようになった」。プロ22年目、12月に迎える40歳を前に新境地を開拓。今大会用に夫が選んだクラブも功奏した。
14年大王製紙エリエールレディス以来、歴代ブランク3位歴代ブランク3位(88年のツアー制施行後、招待選手除く)の10年260日ぶりの24勝目が視界に入る。「明日もアンダーパーで回りたい。私が出しゃばって言った時は夫に謝る」。夫婦タッグで復活Vを狙う。(星野 浩司)