【男子ゴルフ】「私が池田勇太です。皆さんもうお忘れに」7年ぶり優勝後に自己紹介 天国の尾崎将司さんに届けた復活V


紫色のウェアで臨んだ最終日、プレーオフを制して7年ぶりの優勝を決めた池田勇太(カメラ・豊田 秀一)

紫色のウェアで臨んだ最終日、プレーオフを制して7年ぶりの優勝を決めた池田勇太(カメラ・豊田 秀一)

◆男子プロゴルフツアー ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント2026 最終日(8日、兵庫・三木GC=7004ヤード、パー71)

 2打差4位で出た池田勇太(40)=フリー=が復活優勝し、2019年ミズノオープン以来7年ぶりのツアー通算22勝目を挙げた。1イーグル、3バーディー、1ボギーの67で回り、通算14アンダーで並んだ古川龍之介(25)、岡田晃平(24)とのプレーオフを制した。昨年12月に78歳で亡くなった尾崎将司さんへの憧れとともにゴルフ人生を歩んできたベテランは「ジャンボさん、優勝しました」と天国に向かって絶叫。あと3勝に迫った永久シード獲得へ意欲を見せた。

 7年ぶりのウィニングパットの距離は、2メートル半だった。池田はちゅうちょすることなく流しこみ、両手を高く突き上げた。最終日に選んだのは、ジャンボ尾崎さんの勝負カラー「紫」のウェアだった。「ジャンボさん、優勝しました!」。空を見上げて叫んだ。声は震え、瞳は潤んだ。4ホールにわたるプレーオフに魂を込め、勝ちきった。

 7番パー5で流れを引き寄せた。奥のカラーから8メートルをパターでねじ込むイーグルに右拳を握った。続く8番をバーディーとし、10番で5メートルを沈めてトップを捉えた。優勝インタビューの第一声、ギャラリーに向かって切り出した。「自己紹介します。私が池田勇太です。皆さんもうお忘れになっていると思いますんで」。2016年賞金王の帰還だった。

 2022年に発症した顎(がく)偏位症の影響で、首や足に激痛が走った。歩くのも困難になった。「思ったように体が動かせないって、こんなにつらいんだな」。左右50キロあった握力は右20キロ、左40キロまで落ちた。ピアニストが使用する、指を1本ずつ鍛えるトレーニング器具も試した。24年3月に手術を受け、肩が2センチ下がり、腕は3センチ伸びた。クラブの調整も一からだった。シード落ちも経験。「このまま落ちぶれていくのか」。そう思ったことも一度や二度じゃない。

 追悼のシーズンを送ってきた。2月に尾崎さんの生まれ故郷の徳島・宍喰町(現・海陽町)で四十九日法要と納骨式に参列。墓前で「今年、優勝して戻ってまいります」と誓った。約束を果たすために、体にムチを打ち、心を奮い立たせてきた。「ジャンボさんは『やっとか』って言うと思う。『俺のまだ4分の1以下か』かな。そう言ってもらえると思ってまた来週から頑張りたい」

 4年ぶり15度目の日本シリーズJTカップ(12月3~6日、東京よみうりCC=報知新聞社主催)切符も手にした。「勝って決めたい」を有言実行した。「永久シードまであと3勝。来年中に達成したい。ここからが本当のスタートじゃないかな」。憧れの人がそうだったように、これからの40代に黄金期はある。(高木 恵)

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