勇太、大会タイ61…賞金ランク1位浮上「いいゴルフだった」谷原を逆転


 ◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス最終日(20日、宮崎・フェニックスCC=7027ヤード、パー71)

 5打差3位から出た池田勇太(30)=日清食品=が11バーディー、1ボギーの猛チャージを見せ、大会タイの61で通算20アンダー。1打及ばず2位だったが賞金ランクは2位から1位に浮上し、次週のカシオワールドオープンで優勝すれば初の賞金王が決まる可能性が出てきた。ブルックス・ケプカ(26)=米国=が21アンダーで優勝。

 最後は笑うしかなかった。最終18番。1打差で首位のケプカが先に2メートルのバーディーパットを決めて勝負あり。それでも池田の集中力は途切れなかった。1メートルを沈めバーディー締め。世界ランク21位の強豪を最後まで追いつめ、「いいゴルフだった。これ以上は無理」と素直に敗戦を受け入れた。

 前半終了時は5打差のままだったが10、11、13、14番とバーディーで1打差に詰め寄り、15番では約5メートルを決めて並んだ。しかし17番では約1・5メートルのチャンスを決められず。再び1打差とされると、もう追いつけなかった。15日には左肩痛に激痛が走った。マッサージや鍼(はり)治療を受け続けたが、「左をかばったから右(手)も痛くなって」。大会期間中は大好きなアルコール類も飲めないほど。それでも極限まで集中力を高め、今大会の18ホールでの最多バーディー数を更新する11バーディー。「痛みは忘れた」と汗をぬぐった。

 2位は今季5度目で、99年の日本ゴルフツアー機構発足以降では細川和彦に並ぶ最多タイ。賞金ランクではトップに浮上し、2位の谷原に約470万円差をつけた。来週勝って谷原が10位以下なら初の賞金王が確定するが「まだ2試合ある。しっかり治療して臨みたい」と気を引き締めた。敗れはしたが、池田の強さが際立った18ホールだった。(高橋 宏磁)

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