ウッズヒヤリ、警備員転倒でスライディング食らっても1差6位浮上


 ◆米男子プロゴルフツアー メジャー第1戦 マスターズ第2日(12日・米ジョージア州オーガスタナショナルGC)

 大けがにつながりかねないアクシデントだった。雷雨による中断が12番で明け、迎えた14番の第2打。ウッズは後方で多数のパトロン(観客)が見守る中、左の林からショットを放った。その直後、動き出した観客をあわてて止めに入った男性警備員がぬれた地面に足を滑らせた。走ることが禁じられているコースで走ったことが原因となり、尻もちをつきスライディングのような格好で、ウッズの右くるぶし付近を払った。

 一瞬、痛そうなそぶりを見せ足首を回したが、平然とプレーを続けた。8メートルのバーディーパットを沈めると、雄たけびを上げてガッツポーズした。百戦錬磨のスターは「全然問題ない。たくさんの観客の前では起こること」と冷静に話した。6バーディー、2ボギーで首位との差を4打から1打に詰め6位浮上。9番で10メートル、11番で4メートルを沈め、15番も9メートルのフックラインを読み切った。

 「ショットは曲がったがスコアを伸ばせた。とても満足。自分らしく(上位の)戦いに入っていけた」。バーディーを奪うたび“タイガー・ロア(虎のほえ声)”と呼ばれる大歓声がこだました。4組前で回った松山が振り向く場面もあった。

 昨年は全英オープンで最終日に一時首位に立ち6位。全米プロは2位に入り「メジャー3大会続けて上位で戦える」と手応えを口にした。今大会の4勝は全て、第3日終了時で首位に立っている。パットは好調で「このまま続けたい」と自信をのぞかせた。2008年全米オープン以来のメジャー通算15勝目、05年以来のグリーンジャケットへ、着実に近づいている。

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