【諸見里しのぶの目】日本中ワクワクさせる渋野日向子の無限の底力


 ◆米女子プロゴルフツアー メジャー最終戦 全米女子オープン 第3日(12日、米テキサス州チャンピオンズGCサイプレスクリークコース=6731ヤード、パー71)

 第3Rの渋野選手は、74というスコアよりも内容的には安定していた印象でした。前日の雨でグリーンが重く、ピン位置もマウンドの際やバンカーなどにかかる位置に切られてコースの難易度が上がりました。フェアウェーも軟らかくて、球に泥がついて重心が変わってしまい、どこに飛んでいくのか予測できずに苦しむ選手も多かったですね。

 そんな中で渋野選手はリカバリーが光りました。5番の3打目はバンカーから1メートルへ寄せた。しっかり右に重心が残っていて、球を飛ばさないように打てていた。17番のグリーン右手前ラフからの3打目も打ち出し角度、高さ、スイングスピードが完璧に合っていた。9、10月の米国初遠征時の経験が生きている印象です。メジャーで首位に立っていて、その経験の引き出しを冷静に開けられる強さは成長の証しだと思います。

 今年最後の大舞台で日本中をワクワクさせてくれる渋野選手の底力は計り知れません。最終日は朝から雷雨予報。引き続き相手がどうのではなく、自分と向き合い、コースに対して決めたことをやり遂げることに集中してほしいと思います。(女子プロゴルファー)

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