河本力、3人目ルーキーシーズン2勝…松山以来の新人賞金王へ「おこがましいですけど、なれたらうれしい」


1番、バーディパットを沈めギャラリーの声援に応える河本力(カメラ・豊田 秀一)

1番、バーディパットを沈めギャラリーの声援に応える河本力(カメラ・豊田 秀一)

◆男子プロゴルフツアー バンテリン東海クラシック 最終日(2日、愛知・三好CC西C=7300ヤード、パー71)

 ツアー1位の飛距離を誇る怪物ルーキー・河本力(22)=フリー=が、4打差逆転で2勝目を飾った。日本人のルーキーシーズンでの複数回優勝はツアー3人目の快挙となった。賞金ランク6位に浮上し次週終了後、有資格者を除く賞金ランク上位8人に与えられる米ツアー、ZOZOチャンピオンシップ(13日開幕・千葉・アコーディア習志野CC)出場権も獲得。13年の松山英樹以来2人目となる日本人ルーキー賞金王挑戦へも意欲を示した。

 怪物ルーキーが豪快な逆転劇を演じた。最終18番。河本はピン上5メートルの下りのフックラインをねじ込むと、大歓声の中で右手を突き出し、青空を見上げた。「バーディーを取って勝てたのが気持ち良かった」。グリーン脇で、歓喜の涙を流す日体大の後輩でツアー5人目のアマチュア優勝経験者・中島啓太(22)とハグ。「『僕も頑張ります』と言っていました。刺激を与えられたと思います」と誇らしげに分厚い胸を張った。

 平均飛距離326・41ヤードはツアー1位。世界トップレベルの豪打で8月以来の逆転Vを引き寄せた。圧巻は15番パー5だ。残り214ヤードから「ミラクルショット」と自画自賛の6アイアンでの第2打はピン左下2メートルについてイーグル。一気に2打差の首位に立った。

 ZOZO―での米ツアーデビューも決めた。将来的な米ツアー参戦を夢見る22歳は「ウッズや松山さんとそうそうたる方が優勝している。今の自分のレベルを知りたい」とうなずく。昨年から体とスイング作りに励み「曲がって凶器だった飛距離が、ようやく武器になってきた」。同じ愛媛県出身・松山以来の新人賞金王への期待も膨らむ。「3、4勝目は狙っている。おこがましいですけど、なれたらうれしい」。急成長の和製大砲が後半戦の主役となる。(榎本 友一)

 ◆国内男子ツアーの日本人ルーキーの複数回優勝 日本ゴルフツアー機構に詳細な記録の残る1985年以降では13年の松山英樹(4勝)、20―21年の金谷拓実(2勝)に続き、河本(2勝)で3人目。ルーキー賞金王は1973年のツアー制施行後、13年の松山だけ。

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