
6番で第2打を放つ蝉川泰果(カメラ・今西 淳)
◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 第3日(12日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70)
2位から出た蝉川泰果(東北福祉大)が6バーディー、2ボギーの66で回り、通算10アンダーで単独首位に浮上。2位に3打差をつけ、2013年の松山英樹に並ぶ、プロ転向2戦目のツアー最速Vに王手をかけた。
1番は第2打をグリーン奥に外し、4オン1パットのボギーとした。4番で10メートル、6番で8メートルのバーディーパットを沈めて再浮上。「緊張のなか、ボギースタートから出直して、こういうプレーができたのはよかった」。14番で3メートルのチャンスを決めて9アンダーとした時点で、頭一つ抜け出した。
ドライバーショットは、ホールを重ねるごとに復調していった。「逃げ球が出ていたが、5番でつかまってくれた」と振り返り、グリーン上でも安定感が光った。プロデビュー戦のマイナビABC選手権は、パッティングに苦戦し28位だった。「先週はパンチ気味に打ってしまっていた。テンポも速かった。今週はその反省を生かしている」。アマチュア時代にすでに2勝を挙げている実力者は、初日から隙の無いゴルフを続けている。
プロとして、ギャラリーを魅了するプレーを心がけている。今年の第50回記念大会は入場無料。この日は2018年日本プロ最終日(1万573人)以来の大台突破となる1万67人が来場した。今季男女通じて初の1万人超え。ホール間の移動では、笑顔でグータッチを繰り出す余裕もあった。
最終日を1位で迎えた大会は9月のパナソニックオープン、10月の日本オープンとともに優勝しており、V率100パーセント。「そんなに簡単じゃないけど、ここまで来たからには優勝したい。一打一打集中して、一つでも多くバーディーを取りたい。今日以上のプレーができるようにがんばりたい」と力を込めた。