山下美夢有、記録ラッシュの有終V「来年はまた切り替えて1試合1試合優勝を目指したい」


リコーカップとトロフィを掲げる山下美夢有(カメラ・豊田 秀一)

リコーカップとトロフィを掲げる山下美夢有(カメラ・豊田 秀一)

◆女子プロゴルフツアー今季最終戦 メジャー▽JLPGAツアー選手権リコー杯 最終日(27日、宮崎・宮崎CC=6487ヤード、パー72=報知新聞社後援)

 首位タイで出た山下美夢有(21)=加賀電子=が4バーディー、2ボギーの70で回り、通算15アンダーで並んだ勝みなみ(24)=明治安田生命=とのプレーオフ(PO)を1ホール目で制して今季最多タイの5勝目、ツアー通算6勝目を挙げた。年間平均ストロークを日本人初の60台に乗せ、年間獲得賞金額は史上最多を更新。21歳103日の史上最年少で決めた今季年間女王に記録ずくめの勝利で自ら花を添えて、最高の形で2022年を締めくくった。

 22年の女子ゴルフ界のトップを、山下が走りきった。勝とのPO1ホール目。8メートルのバーディーパットをねじ込み勝利を決めると、右拳を力の限り握りしめた。涙があふれた。「強い気持ちで優勝を目指してやってきた。うれしい」。飾らない、喜びの言葉だった。

 首位に並ばれたと気づいた17番から「すごく緊張した」。プロでは自身初のPO。9バーディーを積み上げ5打差を追いついてきたライバルが勢いで勝ったが、数字で測れない勝負強さを見せつけた。「プレーに入ったら集中して、やるだけのことをやっている。多くの試合で優勝争いできているので」。一発決着。女王の経験値、誇りが上回った。

 今大会開幕前に掲げた今季最終目標が、年間平均ストローク60台。申ジエの持つ記録更新には4打届かなかったが、ボーダーの12アンダーをクリアして69・9714で史上2人目の偉業を果たした。2億3502万967円まで伸ばした年間獲得賞金は、15年のイ・ボミ超えの新記録だ。

 記録ずくめのV締めで、“山下美夢有の22年”を強く印象づけた。それでも「今年は今年。来年はまた切り替えて、1試合1試合優勝を目指したい」。海外メジャー制覇も夢に描く23年。より高みを目指し、進み続ける。(宮崎 尚行)

 ◆山下が今大会で達成した主な記録

 ▽最多年間獲得賞金 2億3502万967円に積み上げ、15年のイ・ボミの2億3049万7057円を更新。20―21年シーズンの稲見萌寧は1シーズンを通じて2億5519万2049円だったが、単年だけでは2億2691万8833円(21年のみ)だった。

 ▽年間平均ストローク60台 史上2位。日本人では初の60台となる69・9714。歴代1位は19年の申ジエの69・9399。今季はパーセーブ率(90・4835)、パーオン率(75・1543)、60台ラウンド数(50回)なども1位。

 ▽国内メジャー年間2勝以上 史上16人目で、日本人では11人目。延べ23例目。

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