工藤遥加「やっとプロになれた」 転機はソフトボール選手との合宿 宇津木麗華氏の金言胸に


優勝してインタビューに答える工藤(カメラ・高木 恵)

優勝してインタビューに答える工藤(カメラ・高木 恵)

◆女子プロゴルフツアー アクサレディス宮崎 最終日(30日、宮崎・UMKCC=6538ヤード、パー72)

 プロ野球・ソフトバンク元監督の工藤公康氏(61)を父に持つプロ15年目の工藤遥加(32)=加賀電子=が、5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算10アンダーで3位から逆転し、ツアー初優勝を飾った。2011年8月のプロ転向から267戦。4991日目での優勝は、1988年のツアー制施行後では鬼沢信子の7242日に次ぐ史上2番目の遅咲きとなった。ホールアウト後は父への感謝が、涙とともにあふれた。

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 他競技のアスリートからも、工藤は学んできた。2023年2月、沖縄でソフトボールの強豪ビックカメラと2週間の合宿を張った。競技に対する貪欲な姿勢に「ここまでやらなきゃだめなんだ」。自分の中で「プロ意識」が生まれた。「やっとプロになれた。それまでの13年間はプロではなかった。勝てなくて当然だった」。21年東京五輪金メダリストの藤田倭(やまと、34)から金言を授かった。「失敗することが格好悪いんじゃなくて、チャレンジしないことが格好悪い」。トライすることが怖くなくなった。

 今年のオフは1月2日からトレーニングを再開。ほぼ毎日、1時間走り続けた。ビックカメラ高崎の部長と女子日本代表監督を務める宇津木麗華さん(61)から、贈られた言葉も支えになった。「人は春咲く花、夏咲く花、秋咲く花、冬咲く花、いろいろだから、自分はいつかなと楽しみにしておくといいよ」。267試合目での初優勝に、「自分のつぼみを大切に育ててこられた」と胸を張った。(高木 恵)

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