中村心「一番に優勝したい」 ルーキーVへ1差3位発進 前週クマ出没に「こんなことあるんだ」


中村心

中村心

◆女子プロゴルフツアー リゾートトラストレディス 第1日(29日、徳島・グランディ鳴門GC36=6585ヤード、パー72)

 新人の中村心(ヤマエグループHD)が1イーグル、5バーディー、2ボギーの5アンダー67で回り、トップと1打差の3位につけた。「久しぶりに初日に良いスタートが切れてうれしい。ショットの調子が少しずつ良くなっている」。4戦連続予選落ちから復調し、自己最高のスタートを切った。

 5番パー5で残り232ヤードの第2打を3番ウッドでピン右6メートルに運びイーグルを奪うと、6番パー3では手前カラーから10ヤードのバーディートライをねじ込んだ。最終18番は残り107ヤードの第2打を48度のウェッジでピン奥1メートル弱にからめ、バーディーで締めた。

 前週は下部ツアーのツインフィールズレディースに出場した。最終日の24日にクマがコース内に出没し、競技は中断の末に中止。前日までのスコアが最終結果となった。中断のホーンが響いたタイミングは、中村が14番からカートに乗って移動している途中だったため、聞こえなかった。15番のティーグラウンドに到着し、打とうと思った際に、ボランティアから「ホーンが鳴りました。クマが出ました」と知らされた。「こんなことあるんだ、と思った。(クマに)会わなかったけど、危なかった」と驚いた。

 4月の富士フイルム・スタジオアリス女子オープンでは、18番で決めれば優勝だった1・5メートルのパーパットがカップに蹴られ、プレーオフ1ホール目で1メートルのパーパットを外して2位だった。「優勝が目前にあっただけに、優勝したいという気持ちは強くなった」。悔しさを力に変え、戦っている。

 慣れない連戦にも、必死に食らいついている。「高校生のときはこんなに試合数がなかった。プロになって試合がたくさんあることはすごくうれしいことだけど、精神面的にも体力面的にもけっこうハード」というのが正直な思いである。今季開幕時の体重は昨夏から9キロ増の61キロ、飛距離は10ヤード増の約250ヤードに増えたが、すでに3キロ減ってしまった。「朝と夜はしっかり食べられるけど、(ラウンド中の)お昼は、おにぎりが喉を通らなくなってしまう。せっかく伸びた飛距離が落ちるのはもったいない。なるべく食べてトレーニングをしてキープできるように頑張りたい」。ゼリー、チョコレート、バナナを懸命に胃袋に流し込む日々だ。

 荒木優奈、入谷響、都玲華ら、逸材ぞろいの同期の活躍が励みになっている。「みんなすごく強くて、ルーキーイヤーの年から上位争いだったり優勝争いをしているので、刺激もたくさんもらっている。その中でやっぱり一番に優勝したいなっていう思いはある」。今季のルーキー一番乗りの初優勝へ、好発進から波に乗る。

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