
11番、ティーショットを放つ稲垣那奈子。この日は1アンダーでトータル6アンダーの4位タイ(カメラ・渡辺 了文)
◆女子プロゴルフツアー リゾートトラストレディス 第2日(30日、徳島・グランディ鳴門GC36=6585ヤード、パー72)
3位から出たプロ2年目の稲垣那奈子(三菱電機)が2バーディー、1ボギーの71で回って通算6アンダーとし、首位と2打差の4位で週末を迎える。「前半に1つ落としてしまって、なかなかチャンスについても入らない。すごくフラストレーションがたまる一日だったけど、伸ばせて良かった」と笑顔を見せた。
16番パー5で“左ルート”からパーをセーブした。ティーショットを左に大きく曲げ、隣の17番のグリーン手前バンカーに落ちた。第2打は17番のティーグラウンド方向を選択。9アイアンで120ヤード打ち、ピンまで144ヤードの第3打で、8アイアンでグリーンを捉えて2パットでしのいだ。
プロ野球で21年連続勝利の中日・涌井秀章とのオフの自主トレは、今年1月で3年目。巨人・横川凱、中日・根尾昂ら豪華メンバーと汗を流した。1年目は「こんなに走る人たちいるんだ」と衝撃を受けた。ついていくのがやっとで立っていられないほどだったが、メンタルも強くなった。「ちょっとのことだと、へこたれなくなった。少しずつ自分も成長していると感じている」と口にした。「涌井さんのトレーニングに対する姿勢が、すごく一生懸命で真摯でまっすぐ。自分に妥協しないし、常に追い込む。アスリートの中のアスリート」。尊敬の念は深まるばかりだ。
プラチナ世代と呼ばれる2000年度生まれで、古江彩佳、西村優菜、吉田優利、安田祐香、阿部未悠らと同学年だ。高校3年時にプロテストを受験する選手がほとんどのなか、早大のスポーツ科学部に進学した。中学時代に腰椎分離症に見舞われ、ヘルニア寸前まで深刻化した。「未熟だなと思った。しっかり勉強してからプロになりたいと思った。自分の体を自分でコンディショニングできる力をつけたかった」。卒業論文のテーマは「ゴルファーと腰痛の関連性」。4年間の学びは生きており、「少し痛くなっても、重症にならないうちに調整ができるようになった」
ツアーでの自己最高位は昨年9月のゴルフ5レディスと今年4月の富士フイルム・スタジオアリスでの14位。「ショットに頼らずに、しっかりパットでもバーディー取れるように準備をしたい。2日間上位で戦えるように頑張りたい」。ベストフィニッシュへ、残り36ホールを走り抜く。