ゴルフ界の勢力図一変で大混戦必至 日本シリーズJTカップ12・4開幕


23年大会覇者の蝉川泰果

23年大会覇者の蝉川泰果

 国内男子プロゴルフツアーの今季最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(12月4~7日・東京よみうりCC)の開催要項が7日、発表された。今季優勝した有資格者16人のうち、賞金ランク1位の生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり、27)=フリー=ら、ツアー制が施行された初年度の1973年を除けば、ツアー最多に並ぶ日本人選手9人が初優勝。大本命は不在、賞金王争いはシーズン最終盤まで混戦必至で、新時代の主役誕生に注目が集まる。

 高いポテンシャルを持つ新鋭が続々と現れた。前週までの優勝者16人のうち、日本人選手9人が初優勝。ツアー制が施行された1973年を除けば81、97年と並ぶ歴代最多で、今季はまだ7試合を残しており、記録更新の可能性は十分にある。ツアー20勝で今季未勝利の石川遼が「本当にレベルが高くて層が厚い」と話すほど、群雄割拠のシーズンとなっている。

 生源寺が制した開幕戦から6戦で5人、前週までの直近5戦で4人と初Vラッシュが続く。9人の平均年齢は26・67歳と顔ぶれはフレッシュだ。パーキープ率2位(89・785%)と堅実なプレーが光る賞金ランク5位の23歳・金子駆大(こうた)は「優勝争いできるように頑張る」と今大会へのモチベーションは高い。日本プロ選手権に続くメジャー複数大会Vを狙う26歳の清水大成が「メジャーは特別。優勝を目指したい」と言えば、爆発力がある22歳の長野泰雅も「目標は優勝」と鼻息は荒い。

 白熱の賞金王争いは、2年連続で最終戦までもつれそうだ。今季18戦を終えて、獲得賞金が1億円に到達した選手はいない。1位の生源寺(約7758万円)から4000万円差以内に14人がひしめく。終盤�\xA6は優勝賞金4000万円超の高額大会も多く、1勝でランクが大きく動く。最終戦で平田憲聖、金谷拓実、今平周吾、岩田寛、木下稜介、石川の6人に戴冠の可能性があった昨年大会に匹敵する大混戦が予想される。

 昨年大会3位で逆転で初賞金王に輝いた金谷、ランク2位だった平田が主戦場を米国に移した今季、勢力図は一変した。賞金ランクのトップを走る生源寺、今季2勝で同ランク2位の比嘉一貴、23年大会覇者でメジャー3勝の同3位・蝉川泰果らがひしめく中、初V組が師走の決戦を盛り上げる。(星野 浩司)

 ◆国内男子ツアーの1シーズンでの日本人選手の初優勝者数 男子ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構によると、今季の9人は1973年ツアー制施行後、1981年(藤木三郎、川田時志春、高橋五月、竹安孝博、新井規矩雄、倉本昌弘、湯原信光、後藤満吉、中尾豊健)と97年(深掘圭一郎、原田三夫、久保谷健一、佐藤信人、宮瀬博文、桑原将一、金山和雄、藤田寛之、横田真一)に並ぶ最多記録。73年は30試合で青木功、尾崎将司、杉原輝雄ら15人が初優勝扱いとなったが、ツアー初年度のため例外扱い。試合数は81年が42試合、97年が36試合、今季が25試合(残り7試合)。

 ◆SNS初開設 日本シリーズJTカップは今大会から、大会公式SNSを初開設した。インスタグラムはより若年層のファンの獲得に向けて。フェイスブックはゴルフファンの多い中高年など、幅広い層に対しての試み。ともに7日午後5時に第62回大会「王者たちの、頂点へ」のポスターが初投稿された。大会に向け、出場選手や観戦チケット情報などを随時アップしていく方針。

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