初出場の金谷拓実、決勝進出!松山以来日本人アマ2人目


 ◆米男子プロゴルフツアー メジャー第1戦 マスターズ第2日(12日・米ジョージア州オーガスタナショナルGC)

 【オーガスタ12日=榎本友一】アマチュアで初出場の金谷拓実(20)=東北福祉大3年=が2バーディー、4ボギーの74と粘り、通算3オーバー57位で決勝ラウンド(R)に進んだ。メジャーで日本人アマの予選通過は11、12年の松山英樹(27)=LEXUS=に続き2人目。アダム・スコット(オーストラリア)ら5人が7アンダーで首位に立ち、タイガー・ウッズ(米国)は1打差6位に浮上した。日本勢3人の予選通過は中嶋常幸、青木功、羽川豊の1983年以来2度目。

 幼少時から憧れ続けてきた夢舞台の16番で、金谷が見せ場をつくった。左に池がある170ヤードのパー3。ウッズのような赤シャツと黒パンツに身を包み、第1打はピン左奥14メートルへ。旗竿を立てたままスライスラインを沈め、バーディーを奪った。右拳を思い切り下ろしてウッズばりのド派手なガッツポーズを見せ、周囲を埋め尽くしたパトロン(観客)から大喝采を浴びた。

 「まだ(予選通過の)チャンスがあるなと思い最後まで必死にプレーしました。そういうのを神様が見てくれて、長いパットが入ってくれたのかな。こういう気持ちでプレーすることが大事だと思いました」

 序盤からアイアンショットでグリーンオーバーを連発した。「興奮してアドレナリンがすごい出た。ずっとアイアンが1番手、2番手飛んでいてグリーンを全部オーバーした。こんなの初めて」。13番終了時点では予選通過圏外の5オーバーまで落としていた。

 それでも「残り5ホールで3つバーディーを取ろうと思った」と不屈の闘志を燃やした。15番はグリーン奥から1メートルに寄せバーディー。続く16番は、05年大会最終日にウッズが最後のひと転がりでチップインバーディーを決めてナイキ社のCMにも使われ「一番思い出に残っている」ホール。奇跡的なカムバックを果たし、予選通過圏内へ戻った。

 その後はスコットが8アンダーまで伸ばし一時は圏外となったが、16番でボギーをたたいて7アンダーでフィニッシュ。「50位以内か首位と10打差以内」という規定により予選突破が決まった。日本人では松山(19歳1か月)、石川遼(19歳6か月)に続く3番目の年少記録だ。

 金谷を含めて4人のアマが決勝Rに進み、1アンダー29位のビクトル・ホフランド(ノルウェー)が最上位だ。残り2日間の目標は「通算アンダーパーでのベストアマ獲得」。平成最後のゴルフの祭典で、偉大な先輩から令和に向けたバトンを受け継ぐ。

 ◆松山の11年大会 第1Rは72で31位発進。第2Rは73と粘り、1オーバー43位で日本人最年少の19歳1か月で予選通過。第3Rでは日本人6位タイ(当時)の68で18位に浮上。最終Rは74と崩れたが、初出場のアマでは2人目のアンダーパー(1アンダー)で27位。日本人初のベストアマを獲得した。

 ◆日本勢が3人予選通過した83年大会 3人が出場し、最上位は5年ぶりの出場だった中嶋常幸の16位。7年連続出場の青木功が19位、2年連続出場の羽川豊が36位。優勝はセベ・バレステロス(スペイン)。

 ◆金谷拓実(かなやたくみ)

 ▽生まれとサイズ 1998年5月23日、広島・呉市。172センチ、73キロ。

 ▽ゴルフ歴 父の影響で5歳で始め、広島国際学院高2年の日本アマで17歳51日の大会最年少V。同年の日本オープン11位で大会最年少ベストアマ。昨年の日本オープンも2位でベストアマ。

 ▽趣味 野球やサッカー、バスケなどの球技。フットサルが最近のマイブームで「点取り屋」。

 ▽カープ男子 丸佳浩外野手の巨人FA移籍に複雑な思いも。「今年は弱いから応援したいです」

 ▽好きな女性のタイプ 乃木坂46の齋藤飛鳥。

 ▽食べ物 好物は仙台名物の牛タン。「司の牛タンがオススメ」。嫌いな物はピーマン。

 ▽家族 両親と兄。

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