【牧野裕の目】今平、敗因は18番第2打アプローチ


優勝した石川遼(右)の優勝カップを見つめる3位の今平周吾(カメラ・泉 貫太)

優勝した石川遼(右)の優勝カップを見つめる3位の今平周吾(カメラ・泉 貫太)

 ◆男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ最終日(8日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 最難関の18番パー3で行われたプレーオフの3ホール目。カップは手前10ヤード、右5ヤードから、手前28ヤード、右4ヤードに切り直された。石川は5アイアンから4アイアンに持ち替えた。1番手難しいクラブになったが、それまで右に外していた悪いイメージを払拭できたのだろう。素晴らしいショットを放った。

 ウィニングパットも素晴らしかった。ケネディは1・2メートルのパーパットを残していた。相手のボギーを期待するのではなく、バーディーを狙いにいって入れた。もし「自分がパー、相手がボギー」と計算していたら、勝利への流れを失っていただろう。勝負の流れを読む力は見事。だからこそ17勝を積み重ねることができた。

 今平は2年連続で賞金王になったが、悔しい終わり方になった。18番で1メートルのパーパットを4メートルもオーバーさせてダブルボギーをたたいたが、敗因は第2打のアプローチだ。ピンに絡めてうまく打ったように見えるが、オーバーさせてはいけなかった。1メートル手前につけるべきだった。ただ、1年を通して見ればショット、アプローチ、パットのすべてが高いレベルで安定していた。小柄ながら飛距離も出る。最終戦の最終ホールの悔しさを来季につなげて、さらなる成長を期待したい。(プロゴルファー)

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