「ミレニアム」古江彩佳、世代一番乗りのプロ初Vへ6バーディー2位に急浮上


12番で笑顔を見せる古江彩佳。通算8アンダー2位につけた(Getty Images/JLPGA提供)

12番で笑顔を見せる古江彩佳。通算8アンダー2位につけた(Getty Images/JLPGA提供)

 ◆日本女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 第3日(27日、千葉・カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72)

 2000年度生まれの「ミレニアム世代」古江彩佳(20)=フリー=が、6バーディー、ノーボギーでこの日ベストスコアとなる66を叩き出し、首位と3打差の2位に急浮上した。昨年の富士通レディースでアマチュア優勝を飾り、プロに転向した“ルーキー”は、2日連続ボギーなしと安定したゴルフを披露。逆転で、同世代では一番乗りとなるプロ初Vを狙う。

 本領を発揮した。初日を2連続ボギー発進の82位、第2日を25位で終えた古江がリーダーズボードでごぼう抜きを見せ、一気に優勝圏内に現れた。「1日目に比べると集中力が高まってきているのかなと思います。緊張感もあるし、試合は楽しいので、本当にうれしいです」。12番ではカラーからの8メートルを、17番でも6メートルを沈めるなど6バーディーと量産で笑顔がはじけた。第2日に続くノーボギーで“ミレニアム世代”としての存在感を示した。

 プロ転向5戦目、今大会からは同世代の選手たちもプロとしてツアーに加わった。アマ優勝を成し遂げ、世代の先頭をいくが、プロになっても「私が一番下です」と謙虚な姿勢は変わらない。何度も訪れたピンチもパーセーブでしのぎ2位に浮上したこの日も、調子は「ボチボチです」と、いつもと同じ返事。どんな状況でも浮き沈みが少ない、安定したゴルフこそが古江の魅力だ。

 大会中止が続いた期間は、アマ時代に研修生を務めた六甲国際GCに通いつめた。その一方で「自由な時間が増えた」と同世代の吉田優利に教わるなど、もともと好きだったメイクをさらに磨き、少し大人っぽい印象に変身。プライベートも充実させることで、ゴルフへのモチベーションを保ち続けてきた。

 この日も母・ひとみさん(50)が運転する車内では、大ファンの浜崎あゆみの歌を熱唱してコース入りした。毎回車内は古江の物まねライブ状態になるそうで「集中力? 関係あります。歌わないとダメだったり、弱気で歌っていたりするとあんまり気持ちが乗らないですね」とニヤリ。浜崎の自伝的小説が原作のドラマ「M愛すべき人がいて」を見ることも楽しみにしており、プロで名を上げて浜崎に対面するという夢もある。「楽しむことが大事。笑顔でできたら」。逆転での2勝目を果たし、憧れの人に近付く大きな一歩にする。(筒井 琴美)

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