ジャンボ軍団の18歳新星・西郷真央、史上初のプロデビュー戦優勝見えた3差2位浮上


オンライン会見で笑顔を見せる西郷(Getty Images/JLPGA提供)

オンライン会見で笑顔を見せる西郷(Getty Images/JLPGA提供)

 ◆日本女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 第3日(27日、千葉・カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72)

 昨年11月のプロテストに一発合格したゴルフ界の“西郷(せご)どん”こと西郷真央(18)=大東建託=が15位から出て、5バーディー、ボギーなしの67で回り通算8アンダーで3打差2位に浮上した。国内男子最多94勝の尾崎将司(73)のまな弟子は、1988年ツアー制施行後初となるプロデビュー戦優勝と21世紀生まれ初Vの快挙に挑む。田中瑞希(21)=フリー=が11アンダーで首位。

 ジャンボ軍団の新星・西郷に初のプロデビュー戦優勝のチャンスが訪れた。18歳ルーキーの初戦とは思えぬ落ち着き払ったプレーでボギーなしの67で2位浮上。「正直こんなに上位で来られるとは。自分でも驚いています」とリモート会見で初々しく笑った。

 1、2番のバーディーで好発進すると、圧巻は残り3ホールの連続バーディー締めだ。「16番で下りのスライス(3メートル)を決めて、いい流れになった」と愛くるしい表情を浮かべた。「予選2日間よりショットが良くなった。第2日後の練習でアドレスをすっと構えるようにした。明日につながるプレーでした」と修正力を発揮。ラウンド中も同組選手をじっくり観察し、浮き足立つことはなかった。

 父・雄史さんが尾崎将司の大ファンでレッスン会に応募したことをきっかけに、17年に弟子入りした。ジャンボ尾崎アカデミーの1期生はコロナの影響で師匠宅での練習を控えていたが、一度訪れた際に「試合が(なかなか)始まらないけど、しっかり調整してがんばれ」と金言を授かった。1月24日が誕生日だったジャンボの誕生会では「今年はシード権を取ること、最終戦の(LPGAツアー選手権)リコー杯に出場」を誓い、開幕を迎えた。

 実施時期の変更(7月から11月)に伴い、昨年から受験年齢が1歳引き下げられた最終プロテストに一発合格した18歳。高校在学中のプロデビューはならなかったが、「オフが長かったので、成長できる時間を与えてもらった。いい状態でした」と胸を張った。ドライバーの飛距離は10ヤードほどアップした。

 昨年6月に日本女子アマを制した時は、最終日の前夜に優勝シーンを想像してから眠りについた。26日夜も「ショットが良くなるイメージをしてから寝ました。曲げるミスが多かったので、ストレート系のティーショットをイメージした」と、効果はバッチリだった。

 若手対決となる最終日へ「もちろん優勝は目指したいけど、自分のプレーに集中して良い結果がついてくれば」と平常心を強調した。21世紀(2001年~)生まれ初のツアー優勝者誕生なるか―。無観客開催となった異例の開幕戦。3打差を追う“せごどん”が女子ゴルフ界の新時代を切り開く。(岩原 正幸)

 ◆西郷真央(さいごう・まお)プロフィル

 ▽生まれとサイズ 2001年10月8日、千葉・船橋市生まれ。18歳。158センチ、57キロ。血液型AB。家族は両親と姉。

 ▽ゴルフ歴 5歳で始め、14年全国小学校選手権優勝。16年世界ジュニア6位。17年報知ジュニア優勝。ツアーは15年大東建託・いい部屋ネットレディスに初出場。アマ時代は10戦に出場し、昨年のニトリレディス30位が最高。

 ▽学校 今春、千葉・麗沢高を卒業して通信制の日本ウェルネススポーツ大に在学。「大学ではゴルフ場も回れて環境がいい。稲見萌寧さん、高校の先輩の吉田優利さんも進学されたので」

 ▽憧れの選手 今大会にも出場している通算50勝の不動裕理(43)。「小学生からずっと尊敬している。まだあいさつくらいでお話しできてません」

 ▽持ち味 アイアンショット。ドライバーの平均飛距離は240ヤード。

 ▽趣味など 好きな色はピンク。趣味はお笑い鑑賞で、特技は早食い。

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