金谷拓実、プロ初戦で終盤2連続バーディー…石川遼「心の強い選手」星野陸也「さすが」と賞賛


ホールアウトしグータッチする(手前左から)石川遼、金谷、星野陸也(代表撮影)

ホールアウトしグータッチする(手前左から)石川遼、金谷、星野陸也(代表撮影)

 ◆男子プロゴルフツアー メジャー第1戦 日本オープン 第1日(15日、千葉・紫CCすみれC=7317ヤード、パー70)

 プロ初戦となった金谷拓実(22)=東北福祉大4年=は3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの2オーバー、72で首位と6打差の48位で発進した。不運と難しい条件下でグリーン上に苦しんだが、終盤2連続バーディーを奪取。1973年のツアー制施行後、初となるプロデビュー戦でのメジャー制覇とツアー2勝目に向け、2日目以降の巻き返しを誓った。18、19年賞金王の今平周吾(28)=フリー=が4アンダーの単独首位。

 大物新人“らしさ”を見せたプロ初日だった。572ヤードの最終18番パー5。金谷はドライバーを思い切り振り抜き、フェアウェー右へ。残り265ヤードから再び鋭く回転して3ウッドを振りちぎると、ピン手前2・5メートルへスーパーショット。イーグルパットこそ外れたが楽々のバーディー締め。「前半は良くなかったが、最後2つバーディーを取れたのはあしたにつながる。パットを修正して、どんどんスコアを伸ばしていきたい」と、逆襲を誓った。

 難しい条件での滑り出しだった。午後スタート組で断続的に雨が降り、気温も下がった。4番で第2打がバンカーの縁にめり込む不運でダブルボギー。9番も第1打がバンカー縁の深いラフに入ってスコアを落とした。「雨で距離が飛ばず、グリーンのスピードも合わせられなかった」。パット巧者が5、15番で3パットボギーをたたいた。

 並の新人なら崩れてもおかしくない展開だった。既に3つの海外メジャー出場も果たした前世界アマチュアランク1位は、ここから真価を発揮した。17番は手前4メートルのバーディーパットをねじ込んで右拳を揺らし自らを鼓舞。「最後まで諦めない気持ちを見せられた」と、熱い広島男児は闘志をみなぎらせた。

 同組の先輩プロからも非凡さを絶賛された。石川は「連続バーディーで上がってきたので、すごく心の強い選手」と精神力を、星野は「アプローチのバリエーションがあった。ティーショットもストレート系の高いショットで、さすがだった」と、技術力の高さをたたえた。

 アマ時代から、「なぜかいつも初日は苦手」と金谷。史上4人目のアマVを果たした昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズも、初日は3オーバーの73で51位だった。第2日は好条件の早朝スタートで、「3、4アンダーを出していきたい」。史上初のデビュー戦メジャーVへ猛追を図る。(榎本 友一)

 ◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。22歳。広島国際学院高2年の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。同年の日本オープン11位で大会最年少ローアマ。2018年アジア・パシフィックアマ選手権で優勝。19年の海外メジャーのマスターズ58位、全英オープンは予選落ち。19年8月、日本男子では松山以来2人目の世界アマランク1位に。172センチ、73キロ。家族は両親と兄。

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