青木瀬令奈、大会レコードで4差逆転Vに涙 渋野の激励LINEに応えた


トロフィーを手に、大会アンバサダーの宮里藍さん(左)と優勝を喜んだ青木(カメラ・渡辺 了文)

トロフィーを手に、大会アンバサダーの宮里藍さん(左)と優勝を喜んだ青木(カメラ・渡辺 了文)

◆女子プロゴルフツアー 宮里藍サントリーレディス 最終日(13日、兵庫・六甲国際GC=6517ヤード、パー72)

 首位と4打差の2位から出た青木瀬令奈(28)=フリー=が、5バーディー、ボギーなしの67で回り、大会コースレコードに並ぶ通算17アンダーで4年ぶりに優勝し、ツアー2勝目を挙げた。コロナ禍で引退の時期を思い悩むこともあったが、海外メジャー、AIG全英女子オープン(8月19日開幕・カーヌスティーGL)の出場権をつかんだ。

 最終18番。1メートル足らずのパーパットを決めて優勝した青木は、表情を緩めて涙を浮かべた。「練習日から優勝したいと思っていた。だんだんと実感が湧いてきました」。4打差を逆転してツアー2勝目を挙げた。

 3日間ボギーなしの首位・稲見との最終日を前に「萌寧ちゃんも人間なので何が起こるか分からない」と割り切った。伸ばせない稲見と対照的に5、6番で連続バーディー。15アンダーで並んで折り返すと、11番でスコアを落とした稲見を逆転。パー3の16番で1打目を2・5メートルにつけてバーディーを奪い、今年5勝の実力者を振り切った。

 この日の朝、プライベートでも親交があり、米国で戦う渋野日向子(22)=サントリー=から「一言、頑張ってくださいと伝えたくて」とLINEがあった。普段は大会中に返事をしないが「しぶこには返したかったので『頑張ってくるね』とだけ返信しました」。優勝して出場資格を得たAIG全英女子オープンは「やっぱり(19年大会覇者の)しぶこが一番(イメージする)。どんな世界なんだろう」と英国での“再会”を思い描いた。

 昨年から日本女子プロゴルフ協会で選手会長にあたるプレーヤーズ委員長を務める。コロナ禍で大会中止が相次ぎ、社会全体の不安も募る中、一時は「引退の年や潮時を考え始めてしまった」とマイナス思考に陥った。しかし先月、同じ高級腕時計のリシャール・ミルと契約するレーシングドライバーの松下信治(27)から「自分が今いる位置が行きたかったところ。そこから降りることはない」と助言を受けた。生死を懸けて戦う仲間に背中を押され、直後の中京テレビ・ブリヂストンレディスで今季最高の4位に入った。

 初優勝は17年6月のヨネックスレディス。初日が雨天中止で2日間に短縮され、周囲からは「3日間で優勝しないと優勝じゃない」と冷たい言葉もあった。その言葉をはねのける4日間大会での逆転V。「やっと優勝したと胸を張って言える」。苦悩を乗り越えた青木が“正真正銘”の優勝を手にした。(菅原 美沙)

◆大西コーチに感謝

 〇…青木は優勝会見で「15年からずっと大変なときも支え続けてくれて、励まし続けてくれた」というキャディーを務めた大西翔太コーチ(28)に感謝した。今大会はコーチの提案でボールに線を記入。「コーチが毎日書いてくれて、自信を持ってパッティングできた」と小さな変化で得た大きな1勝だった。副賞として贈られたビール1年分は「コーチと家族は大好きなので、みんなでおいしく飲めたらいいな」と恩返しの美酒にする。

 ◆青木 瀬令奈(あおき・せれな)1993年2月8日、群馬・前橋市生まれ。28歳。7歳でゴルフを始め、前橋商高で2008年全国高校選手権夏季大会制覇。11年にプロテスト合格。17年ヨネックスレディスでツアー初優勝。19年は賞金ランク35位で5年連続シード。趣味は宝塚観劇。153センチ、50キロ。

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