畑岡奈紗は「体が変われば動きも変わる」 フィジカルコーチ・栖原弘和氏が語る強さの秘密


畑岡奈紗

畑岡奈紗

 4差の単独首位から出た畑岡奈紗(アビームコンサルティング)が通算15アンダーで今季初、日本勢最年少23歳で通算6勝目を挙げた。1イーグル、4バーディー、2ボギーの67で回り、2位に5差をつける圧勝劇で賞金22万5000ドル(約2900万円)を獲得した。優勝は昨年9月以来で、日本女子の勝利数では歴代3位。最多17勝の岡本綾子、2位の宮里藍の9勝に近づいた。

 * * *

 畑岡を指導する日本ゴルフ協会(JGA)フィジカルコーチの栖原(すはら)弘和氏(37)がスポーツ報知の取材に応じ、「体を強くするのと並行して、ゴルフのスキル(技術)を進化させてきたことが成績につながっている」と、通算6勝目の勝因を語った。

 栖原氏は今週のプレーを映像でチェックし「上半身、下半身の力感のバランスがうまく取れていて、スムーズに動けていた」と分析した。試合を重ね調子が上がってきたことで、スイングやパッティングでの取り組みが「結果として表れたのでは」とうなずいた。

 スイングの3D動作解析を定期的に行うなど、長期的な視点でパフォーマンス向上を図る。2020年前半には週2~3回ペースでトレーニングに励み、筋肉量が1キロ増えるなど、体が少しずつ変化した。「体が変われば、動かし方も必然的に変わる」と栖原氏。昨年2勝、今季1勝と結果が順調ぶりを物語る。現在はスイング時に骨盤と股関節が正しい動きをするように運動メニューを組み、常に体をゴルフの動きに転化させることを意識する。

 科学的なアプローチは既に5年以上。その先には5大メジャー全制覇、昨夏の東京五輪(9位)の悔しさを晴らすべく、24年パリ五輪の金メダル獲得を見据える。栖原氏は「今回の優勝は一つの通過点です。まだ20代前半。よりトップレベルで活躍できるように全力でサポートしていきたい」と強調した。(岩原 正幸)

最新のカテゴリー記事