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メジャー大会を初制覇し喜ぶ比嘉(カメラ・小林 泰斗)
◆日本男子プロゴルフツアー メジャー初戦 BMW日本ツアー選手権森ビル杯 最終日(5日、茨城・宍戸ヒルズCC西C=7387ヤード、パー71)
身長158センチの比嘉一貴(27)=フリー=が、1973年のツアー制施行後、最小兵のメジャーチャンピオンとなった。3打差3位で出て2イーグル、2バーディー、2ボギーの67で回り、通算12アンダーで最終日逆転でメジャー初制覇。4月の関西オープン以来の今季2勝目、通算4勝目を飾った。賞金ランク1位に浮上し、自身初の海外メジャー全英オープン(7月14日開幕・セントアンドリュース)出場権も獲得した。
日本タイトルが重くのしかかった。大槻、岩崎と首位に並んで迎えた最終18番。比嘉は、決めれば優勝の2メートルのバーディーパットを打つ前に一度構えをほどいた。「震えで球に当たらないと思った。仕切り直しても震えていた」。気持ちでカップへねじ込んだ。歴代最も小さなメジャー王者は右拳を突き出し、喝采の中で喜びをかみしめた。
序盤の幸運が辛勝を呼び込んだ。2番はグリーン左ラフからウェッジで勢いよくチップインイーグル。3番は第1打が小川から跳ねてグリーン右へ。「チップインは強かったですし、3番もラッキー。非常に大きかった」と頬を緩めた。
身長158センチで「(入場を手引きする)キッズエスコートの子供たちと変わらない」と自嘲した。それでも多彩な球を操り、身長180センチ以上の2人との最終日最終組対決を制した。賞金ランク1位に浮上し、全英や欧米ツアー出場権も獲得し、5年シードも得た。「海外に挑戦したいし、賞金王も目指しています」。小柄な王者の夢はビッグだ。(榎本 友一)
◆比嘉 一貴(ひが・かずき)1995年4月23日、沖縄・うるま市生まれ。27歳。10歳からゴルフを始め、沖縄・本部高では宮里藍さんの父・優氏に師事。東北福祉大では2015年ユニバーシアード団体&個人金メダル。16年日本オープンでベストアマ。18年から賞金ランクでシードを獲得中。日本ツアー通算4勝。158センチ、70キロ。
◆比嘉の優勝用具 ▽1W=B1ドライバー(ロフト角10・5度、硬さX、45インチ)▽5W=SIMフェアウェーウッド▽7W=エピックSPEEDフェアウェーウッド▽4UT(24度)=ツアーB X―HI▽5~9I、PW=ツアーB 200MBアイアン▽ウェッジ(51、55、59度)=BRMウェッジプロト▽パター=タイトリスト・スコッティー・キャメロン・GoLoDB5▽ボール=ツアーB X(5W、7W、パター以外はブリヂストンゴルフ製)