史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)が12日に栃木・那須小川GCで開幕する第2回プロパッティングツアー全日本選手権に出場する。11日、コースに入り、最終調整を行った。
パッティングツアーは、その名の通り、パットだけのグリーン上の勝負。約2メートル~約20メートルの距離で18ホールが設定され、パー36で争う。ツアー最終戦の今大会にはポイントランクの上位選手だけが出場権を持つ。2日間で予選、敗者復活戦、決勝を行い、賞金総額300万円(優勝100万円)を争う。弥勒はポイントランク6位で最終戦に進出。「昨年の最終戦にはベストアマの招待選手として参加させていただきましたが、パッティングプロたちの壁にはね返され、決勝に行けませんでした。今年は予選を突破して決勝に進みたいです」と力強く話した。
今年、弥勒はプロパッティングツアーに積極的に参加。第18戦(10月24日、宮城・大崎GC三本木C)では2位と健闘した。父・憲一さんは「このツアーに出場させていただいたお陰でパットの技術が本当に向上しました。今大会のグリーンは11・5フィートと速く仕上がっています。とても難しい設定ですが、プロに食らいついてほしいですね」と期待を込めて話した。
弥勒は8月に日本女子プロゴルフツアー通算23勝の横峯さくら(エプソン)の父で元コーチ兼キャディーの横峯良郎氏に弟子入り。弥勒や両親が「監督」と呼ぶ横峯氏の指導のもと急成長を続けている。「プロゴルファーになった時、最終的にはパットの勝負になります」と弥勒はグリーン上で実戦経験を積んでいる。
今年からアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、抜群の実力と存在感を持つ弥勒のもとにはオファーが殺到。その中で「ゴルフ5」と所属契約を結ぶなど、現在、12社・団体のスポンサーを持つ。
また、今年のアマ規定の改定では、ドライビングコンテストやパッティング大会などではアマチュアは上限なしで賞金を得ることもできるようになった。今大会は賞金総額300万円。優勝100万円、2位50万円、第3位30万円。16位(5万円)まで賞金を獲得できる。「アマチュアも賞金をもらえるのでモチベーションが上がります。賞金を獲得したいです」。弥勒は笑顔で今大会の躍進を誓った。
◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。11歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17、18年に世界ジュニアゴルフで連覇し、頭角を現す。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、今年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。今年8月から横峯良郎氏の指導を受ける。現在、ドライバーの飛距離は約210ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。