優勝まで1メートルに迫りながらベテラン・谷原秀人に敗れた20歳の長野泰雅「手が震えた」


長野泰雅

長野泰雅

◆男子プロゴルフツアー プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品 最終日(25日、栃木・西那須野CC=7036ヤード、パー72)

 首位と2打差の3位からスタートした44歳の選手会長・谷原秀人(国際スポーツ振興協会)が7バーディー、1ボギーの66で回り、通算24アンダーで並んだ20歳の長野泰雅(たいが、福岡地行)をプレーオフ1ホール目で下して今季初優勝、昨季最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ以来の通算18勝目を飾った。

 首位タイからスタートして、5週連続で最終日最終組でプレーした中島啓太(フリー)は、4バーディー、1ダブルボギーの70で2打差の3位。結果的に5番のダブルボギーが響いた。57位からスタートした石川遼(カシオ)は9バーディー、1ボギーの64をマークし、通算15アンダーで26位に浮上した。

 ツアー参戦2年目の新鋭の長野は初優勝まで「あと1メートル」に迫ったが、惜しくも敗れた。1組前で回っていた谷原が通算24アンダーでホールアウト。最終組の長野は通算24アンダーで最終18番パー4へ。8アイアンで放った残り170ヤードの第2打をピンまで1メートルにつけた。決めれば優勝。しかし、バーディーパットは無情にもカップに蹴られた。「手が震えました」と長野は正直に話した。

 18番で行われたプレーオフ1ホール目の第1打を右に大きく曲げて、ボールは林の中へ。第2打をフェアウェーに出し、第3打を4メートルにつけたが、パーパットを決められず、手堅くパーで上がった谷原に敗れた。「もったいないです」と長野は悔しさあふれる表情で話した。

 今回は土壇場で崩れたが、長野が未知数の潜在能力を持っていることは間違いない。今大会の第2日には、1イーグル、11バーディー、1ボギーの60で回り、1ラウンド12アンダーはツアータイ記録をマークした。大会特別協賛のサトウ食品などから多くの特別賞をゲットした20歳は「食べ物をたくさん頂いたので、たくさん食べて、もっと大きくなって頑張ります」と前向きに話した。

 長野泰雅の名前の由来はタイガー・ウッズ(米国)。九州シニア優勝経験を持つ父・清一さんは永久シードの尾崎将司と直道兄弟から「将直(まさなお)」と名付けようとしたが、母・珠美さんが「昭和過ぎる」と反対したという。福岡の和製タイガーは、敗戦を糧に成長を続ける。

 ◆長野 泰雅(ながの・たいが)2003年5月6日、福岡・篠栗町生まれ。20歳。16年九州シニア優勝の父・清一さんの影響で9歳でゴルフを始める。沖学園高1年時に国体で個人、団体戦の2冠。3年時にプロ転向。ツアーに初参戦した昨季、日本オープン3位など、いきなり活躍。3023万7359円を稼ぎ、賞金ランク30位でシード権を獲得した。家族は両親と姉。170センチ、75キロ。

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