今田竜二氏、13位の松山英樹は「底力を見せた」 雨、風の悪天候も「自然にゲームを合わせることに慣れてきた」


◆男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 第151回全英オープン 最終日(23日、英国・ロイヤルリバプールGC=7383ヤード、パー71)

 最終ラウンドが行われ、17位から出た松山英樹(LEXUS)は4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70とスコアを1つ伸ばし、通算3アンダーの13位で終えた。36歳レフティーのブライアン・ハーマン(米国)が13アンダーで2位に6打差をつけて米ツアー3勝目、メジャー初優勝を飾った。テレビ朝日でラウンド解説を務めた米ツアー1勝の今田竜二氏が松山のプレーを総括した。

 最終日はスタートからかなり雨が降り、風も吹いていました。松山選手はとても難しいコンディションの中、1番、セカンドの距離を残しましたが、第3打のバンカーショットをしっかり寄せてパーパットを沈めました。立ち上がりは少しショットが乱れている様子があり、4番でダブルボギー、7番でボギー。風や雨、寒さが、飛距離にも影響してきていたと思います。今年のメジャーは最終日にスコアを落としてしまう感じがあったので、悪い雰囲気かなとも思いましたが、底力を見せてくれました。

 9番で素晴らしいバーディパットを沈め、波に乗れた印象です。パッティングの調子は今週ずっと良く、本人はもっと入れたかったという気持ちだと思いますが、1週間を通じて1・5メートル以内のショートパットを外したのはおそらく一度だけ。いいイメージ、感覚が13位の好成績につながりました。

 やはりメジャー大会は、かかってるものが大きい。優勝だけではなく、いかに順位を上げ、PGAツアーのフェデックスポイントを稼いで、ここまで9年連続で出続けている30位以内の資格の選手だけが出られる最終戦のツアー選手権に出場するというのも大事です。今週トップ10に入って十分なポイントを稼いで、来年の出場試合にも影響する50位、70位といった順位を確立したかったと思いますが、これから控えるプレーオフ前の2試合にも良い意味でつながっていくのではないかと捉えています。最後の2日間は寒く、最終日は雨が降っている中でしたが、コンディション面は問題がなさそうに見えました。これから続く連戦に向け、明るい材料かと思います。

 全英オープンは、天候との戦いでもあります。雨、風を当たり前に考えていかなければならない状況で、それを想定して練習ラウンド、練習、試合の組み立てをしてきたと思います。そういう意味で今週は、自然に自分のゲームを合わせていくことに少しずつ慣れてきたのではないでしょうか。まずは8月のプレーオフシリーズを良い形で迎えてもらいたい。(プロゴルファー)

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