松山英樹「最後まで戦い抜けるように」 10年連続最終戦進出へ6連戦に挑む


◆男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 第151回全英オープン  最終日(23日・英ロイヤルリバプールGC、賞金総額1650万ドル=約23億円、優勝賞金300万ドル=約4億円、参加76人=うちアマ1、雨・風やや強)

 【ホイレーク(英国)23日=高木恵】17位で出た松山英樹(31)=LEXUS=は4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70で回り通算3アンダーでフィニッシュ。今季メジャー最高の13位で大会を終えた過酷なラウンドを担当記者が「見た」―。松山は10年連続となる最終戦のツアー選手権(8月)進出へ、今大会からの6連戦に挑む。レフティーのブライアン・ハーマン(36)=米国=が13アンダーで、2位に6打差をつけメジャー初タイトルを手にした。

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 冷たい雨と風に打たれながら、松山のプレーは熱量を帯びていった。7番までに3つスコアを落とす展開からのカムバック。「全英でずっとうまくできていなかったので。久々に上位にいけそうな雰囲気があるゴルフができたので良かった」。トップ10には1打届かなかったが、13位は初出場の2013年大会の6位に次ぐ好成績。今季メジャー4戦のなかで、最上位でのフィニッシュとなった。

 適応力と試合を捨てない心の強さが、この日も光った。4番で今大会初のダブルボギーが先行したが「久々にああいうスタートを切っても、(集中力が)切れることなくできた」。9番パー3で5メートルのバーディーパットを決めて流れを変えた。16番では左ラフからの208ヤードの第2打で、今大会投入したアイアン型の2ユーテリティーを強振。「その場のノリと勢いでいった」という一打をピン手前4メートルへ運び、バーディーをもぎ取った。

 首や背中に不安を抱えながら、今季メジャー4試合を戦い抜いた。「トップ10にも入れていないし、優勝争いにも絡んでいない。悔しいけど、少しずつ良くなっていけばなという感じ」と総括。今大会日本勢は9人が出場し、予選突破は2人にとどまった。もう10年近く、松山頼みの状況が続いている。本調子とは言えない状態で迎える試合も多いなか、期待を一身に受け止め、難コースと対峙してきた。第2ラウンド中には左腕を気にする場面があったが、「2日目に比べたら良くはなっている」と言った。

 シーズンは終盤戦を迎える。年間ポイントランキングで30位までの選手による最終戦、ツアー選手権(8月)への出場がターゲットになる。メジャーばかりに目が行きがちだが、主戦場を米国に移した13―14年シーズン以降、9年連続進出中。継続中では最長となる、とんでもなく偉大な記録を積み上げてきた。現在のランキングは54位。「今週トップ10に入っていれば、再来週(のウィンダム選手権)はスキップしようかなと思っていたけど、そういう訳にもいかなくなった。(今大会からの)6連戦をしっかりと最後まで戦い抜けるように頑張りたい」。10年連続となる最終戦の舞台を目指し、再び戦いに身を投じる。

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