１８番、ティーショットを終えた小祝さくら（カメラ・渡辺 了文）
◆女子プロゴルフツアー 楽天スーパーレディース 第２日（２８日、兵庫・東急グランドオークＧＣ＝６６３６ヤード、パー７２）
５３位からスタートした小祝さくら（２５）＝ニトリ＝がツアータイ記録の８連続を含む９バーディー、ボギーなしの６３で回り、通算１０アンダーで、首位と１打差の３位に急浮上した。最高記録が３６・７度に達した酷暑の中、歴史に残るバーディーラッシュを「暑すぎてスコアを考えている暇がなかった。命の危険を感じました」と“小祝節”で振り返った。鈴木愛（２９）＝セールスフォース＝、宮沢美咲（２０）＝ＨＥＳＴＡ大倉＝が通算１１アンダーで首位。
小祝は、すべてにおいて常識をはるかに超えていた。
４番パー５で残り２０５ヤードから３ユーティリティーで２オンに成功し、イーグル逃しのバーディーを決めると快進撃が始まった。１１番まで８連続バーディーを奪い、ツアータイ記録をマーク。最高気温３６・７度の酷暑の中、歴史に残る“熱い”プレーを見せた。
「バーディーは４連続くらいと思っていた。まさか８連続とはびっくり。暑すぎてスコアを考えている暇がなかった。頭が回りません。命の危険を感じました」
いつも通り、おっとりした口調の“小祝節”で快挙を振り返った。
追い上げも尋常ではない。
第１日は１０番からスタートして、いきなりダブルボギー。１３番でもダブルボギーをたたき、その時点で４オーバーと大きく出遅れ、最下位。しかし、その後、６バーディー、１ボギーと立て直し、７１の５３位で第１日を終えると、第２日は、さらに加速。昨年、稲見萌寧と勝みなみがマークした６４の大会コース記録を１打更新する６３をたたき出し、首位と１打差３位まで巻き返した。
ビリから一転、優勝争いに参戦。それでも、小祝は「予選通過ラインを気にしながらのプレーになると思っていたけど、意外にバーディーがきましたね」と全く興奮することなく話した。
２戦前のミネベアミツミレディス北海道新聞カップで念願の地元初優勝を飾り、先週の大東建託・いい部屋ネットレディスでも２位と好調。「ショットは自信があります」とサラリと語る。
暑さの影響で３選手が棄権。全選手にとって今大会の最大の敵は酷暑だ。来週以降、北海道ｍｅｉｊｉカップ（８月４～６日）をはじめ、５週連続で北海道、あるいは避暑地での開催が続く。「あと２日、体力勝負。集中力を切らさないように頑張ります」。小祝は節目の通算１０勝目に向けて、熱すぎる戦いに臨む。（竹内 達朗）