
メジャーの大舞台で日本男女ツアー初の偉業に挑む。女子プロゴルフツアーのメジャー初戦、ワールドレディスサロンパスカップは4日から4日間、茨城・茨城GC西C(6670ヤード、パー72)で行われる。スポンサー契約を結ぶ久光製薬の“ホステスプロ”で、主戦場の米ツアーから帰国参戦する宮里藍(31)=サントリー=は2日、前週の国内男子ツアーを制した兄・優作(36)に続く、日本ツアー史上初となる兄妹2週連続優勝を目指すと誓った。
藍が兄・優作に続く。日本ツアー女子史上最年少(20歳3か月)で通算10勝に到達するなど、数々の記録を打ち立ててきた31歳が、今週は「宮里家」での快記録達成に挑む。兄妹が2週連続でツアー優勝を飾れば日本初の快挙だ。「兄からいい影響を受けたので、いい形でつなげたい」と闘志を燃やした。
今大会出場は2年ぶり。前回出場時(予選落ち)は飛ばし屋有利の茨城GC東Cでの開催だったが、今年は同西Cが舞台となる。バンカーと池が効果的に配置された難コースだが、ひるむ様子はない。同西Cで行われる今大会は過去に4度出場し、トップ10入りが3回。「日本で1番か2番目ぐらいに好きなデザインのコース」と好印象を持つ。
仕上がりは順調だ。この日の練習ラウンドでは18ホールを回った。17番パー5では、1、2打目ともきっちりフェアウェーへ運び、残り約80ヤードの第3打を20センチに寄せてバーディーを奪った。「まずまずです」と笑顔も見せた。
パワーアップした姿を見せる。今季から試合の直前も筋トレを行う。日本人で初めて世界ランク1位に立った10年頃から昨年まで、シーズン中の筋トレを控えてきた藍にとっては大きな変化だ。「瞬発力を高めるメニューを増やした」と山本邦子トレーナー。本人も「スイングが安定してきた」と成長を実感している。
意識も変えた。今大会終了後は、12年ぶりに中京テレビ・ブリヂストンレディス(19日開幕、中京GC石野C)に出場予定。6月は2年ぶりにサントリーレディス(8日開幕、兵庫・六甲国際GC)へ参戦する予定となっている。昨季、1試合だった日本ツアーへの出場を増やす構えだ。「12年目の(米)ツアーで、ルーチンを変えるのもいい刺激になる。いい形で米国に帰りたい」と意気込む。
05年日本女子オープン、06年日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯を制覇。今大会を勝てば、史上10人目のメジャー3冠も達成。「日本でも成績を残したいので頑張りたい」。藍が記録ずくめの優勝で黄金週間を飾る。(高橋 宏磁)
◆日本ツアーでの兄妹の2週連続V 日本国内の男女ツアーでは前例なし。同じ週でなければ中嶋常幸がツアー48勝、妹の恵利華が同4勝を挙げている。宮里家も長兄・聖志が同1勝、次兄・優作も同4勝、藍は米ツアー9勝&国内14勝している。