女子プロゴルフツアーにデビューした13歳の須藤弥勒が「プロ仕様」にパット改造


パットの大改造に乗り出した須藤弥勒(提供写真)

パットの大改造に乗り出した須藤弥勒(提供写真)

 日本女子プロゴルフのニトリレディス(8月22~25日、北海道・桂GC)とゴルフ5レディス8月30日~9月1日、岐阜・ゴルフ5CみずなみC)の連戦でツアーデビューした13歳の須藤弥勒(ゴルフ5/太陽自動車)が15日、両大会の経験を生かし「プロ仕様」のパッティング改造に着手したことを明かした。これまではラインを薄く読み、強めのタッチを基本スタイルとしていたが、プロツアーの高速グリーンに対応するためにラインを膨らませてジャストタッチでカップを狙うスタイルに変更。早速、13~14日に茨城・金砂郷CCで行われたプロパッティングツアーの第24~27戦に出場し、新スタイルにトライした。

 デビュー戦のニトリレディスは85、78の通算19オーバーで118位。2戦目のゴルフ5レディスは78、75の通算9オーバーで100位。「課題が多く見つかりました」と弥勒は2戦4ラウンドを振り返る。その課題のひとつが自信を持っていたパットだった。特にゴルフ5レディスの第1ラウンドでは3パットが4回で計36パットを要した。「これまでジュニアの大会ではラインを薄めに読んで強めにカップを狙っていましたが、プロツアーはジュニアの大会と全く違い、グリーンが速いです。これまでのスタイルでは3パットのリスクが高いので、ジャストタッチで狙うようにします」と弥勒は冷静に説明した。

 新スタイルの精度を高めるために、早速、プロパッティングツアーの4戦に出場。第24戦は38人中23位、第25戦は38人中3位、第26戦は34人中33位、第27戦は31人中4位。乱高下の激しい結果になった。

 父・憲一さんは「ゴルフ5レディスで78打った第1ラウンドも36パットしており、これを普通とされている30パットで抑えられたらパープレーだったので、強気にバーディーを狙うだけではなく、ボギーをたたかないスタイルに変えるため、今、大改造を行っています。その途中で乱気流の成績は生みの苦しみなので仕方ありません」と話す。キャディーを務める母・みゆきさんは「弥勒と夫が2人で作り上げているパットはメトロノームを作ったり、レーザーを使ったり、傾斜を作ったり、とまるで科学の実験のような感じです。ゴルファーというよりも学者と感じさせるスタイルです」と独自の強化策の一端を明かした。

 今回のパッティングツアー4戦の72ホールで、17バーディー(1パット)に対し、3ボギー(3パット)。一定の成果は出始めている。「今までの感覚と全く違うので難しいですが、自分と父を信じて新しいスタイルをものにしたいです」と弥勒は前を見据えて話した。まだ、13歳。「天才少女」弥勒は一歩ずつ前に進む。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。13歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。22年8月に横峯良郎氏に弟子入り。22年1月からアマチュアも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで、ダブル所属契約のゴルフ5と太陽自動車をはじめ計16社に推定総額3億6000万円以上の支援を受けている。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。150センチ、50キロ。

最新のカテゴリー記事