
2年ぶり通算6勝目を挙げた穴井詩は、副賞の水上オートバイに乗って笑顔を見せた(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー ヤマハレディース 最終日(6日、静岡・葛城GC山名C=6475ヤード、パー72)
穴井詩(らら、ゴルフ5)が2年ぶりの通算6勝目を挙げた。単独首位で出て3バーディー、1ボギーの70と伸ばし、大会記録を更新する通算13アンダーで並んだ全美貞(ジョン・ミジョン、韓国)とのプレーオフ(PO)を制した。
17番で全に並ばれ、迎えた最終18番パー5。全が入れれば優勝が決まった約80センチのバーディーパットを外したため、望みがつながった。PO1ホール目。「腹をくくって決めるしかない」と1メートルのラインを読み切って沈め、右拳を2度振った。
23年4月のパナソニックオープン以来となる通算6勝目。優勝会見では「まだ実感はないけど、うれしいです。いつになく落ち着いてプレーできたのは良かった。前よりは成長した」と喜びをにじませた。
◆穴井に聞く
―大会記録を1打更新して優勝した。
「えっ、いま知りました。ありがとうございます。雨の影響もあって、スコアが出て勝ったんだと思います」
―ツアー6勝目。
「まだ実感はないけど、うれしいです」
―18番で全が決めれば優勝のパットをどういう気持ちで見ていたか。
「当然、入る体ではいたんけど、外れてしまったので、あと一勝負だなという感じでした」
―自身は18番でバーディパットを外し、先にパーパットを入れた。
「自分が外した時点で、もう(優勝は)ないなと。まさかのチャンスがきた。複雑で、素直に喜べないですね。気持ちはすごい分かるるので」
―42歳の全、39歳の藤田さいきと最終日最終組だった。雰囲気は。
「大先輩の2人で、すごくいい緊張感があった。一日中、緊張感を持ってやっていました」
―ラウンド中、全と談笑する場面もあった。
「クラブの話をしていた。パターの話とか、今使ってるクラブはどうとかです」
―優勝した23年大会もPOを制した
「以前に一度やっているので、余裕はありました。あの時ほどティーショットは飛ばなかったので、3打目勝負になりましたね」
―6勝目。今までの優勝との違いは。
「いつになく落ち着いてプレーできたのは良かった。前よりは成長した。あとは変わらないです」
―体力がついたと実感する時は。
「18ホールしっかりやって、練習もして、ホテルに帰って縄跳びをやった時。高速で7分間だけやります」
―限界は見えない感じか。
「こればっかりはまだ分からない。けがなくできる限りはやりたいです」
―竹田麗央、山下美夢有ら昨年のポイントランキング上位選手が米ツアーへ参戦した。
「今年はチャンスと思っていたので、チャンスをモノにしました」
―23年は13位、昨年は25位。それを上回るシーズンにしたいか。
「そうですね。目標としては、自己ベストを目指していきたいです」
―今年のメジャーにかける思いは。
「まず(5月の)サロンパスカップ。コースコンディションが難しくなると思うので、全ての技術を試される場だなと。そこに向けて仕上げていきたいと思います」