
12番でアルバトロスを達成し、使用クラブとボールを手にポーズをとる出利葉(カメラ・渡辺 了文)
◆男子プロゴルフツアー開幕戦 東建ホームメイトカップ 第3日(12日、三重・東建多度CC名古屋=7069ヤード、パー71)
首位と5打差8位から出たプロ3年目の出利葉(いでりは)太一郎(23)=フリー=が自身初のアルバトロスを達成するなど、66で回り5打差3位に浮上した。主催者推薦で参戦し、レギュラーツアーで存在感を示した。生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり、26)=フリー=が3打差をつけ首位をキープ。初優勝に王手をかけた。
出利葉がツアー史に名を刻んだ。563ヤードの12番パー5。残り278ヤードの第2打で2アイアンを振り抜いた。グリーンエッジで弾んだボールはカップへ。大歓声が聞こえたが、「入ったのか、惜しかったのか、わからなかった」。前進する途中で、隣接ホールの石川遼から「誰か入ったよ」と声をかけられて偉業を知った。
詳細な記録の残る1985年以降で50例目(43人目)のアルバトロス。昨年のドライバーの平均飛距離は307・96ヤードで、ツアー全体3位の飛ばし屋だ。この日の12番も「完璧」というティーショットからアルバトロスにつなげた。
アマチュア時代は日本代表にも名を連ね、2023にプロ転向。ツアーで勝利はなく、今大会は主催者推薦で出場している。「一気に順位が上がってナーバスに。うれしさはまだない。すごいことだが、どの一打も一生懸命にやった結果」と努めて冷静で「優勝できるように準備したい」と、3位で迎える最終日を見据えた。(富張 萌黄)
◆出利葉 太一郎(いでりは・たいちろう) 2001年5月12日、福岡県生まれ。23歳。「日本アマ」出場歴がある父の勧めで8歳からゴルフを始める。ジュニア時代から数々の大会で優勝し、中学2年の時に「KBCオーガスタ」でツアーの舞台に立つ。福岡・沖学園高から日大。アマ時代は日本代表として国際舞台も経験。23年にプロ転向。180センチ、87キロ。