青木功、長嶋茂雄さんにゴルフで「危なく負けそうだった」 同郷60年前から親交、追悼プロアマで思い出


13年7月7日、JGTO選手会からゴールドの3番アイアンを贈られ、笑顔でスイングする長嶋茂雄さん(中央)

13年7月7日、JGTO選手会からゴールドの3番アイアンを贈られ、笑顔でスイングする長嶋茂雄さん(中央)

 6月3日に死去したプロ野球・巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さん(享年89)を追悼するゴルフのプロアマ大会「長嶋茂雄 MEMORIAL セガサミー チャリティープロアマ大会」が24日、北海道千歳市のザ・ノースカントリーGCで開催され、日本ゴルフツアー機構(JGTO)前会長で、男子プロの青木功(82)、俳優の市村正親(76)ら計120人が参加した。主催者側は長嶋さんの名前を冠した男子ツアーまたはプロアマ大会を来年以降も継続する意向で、青木は「永久に残ってほしい」と熱望した。

 気温34度。酷暑下の北の大地で顔を真っ赤にしてプレーを終えた青木は、60年来の親交がある長嶋さんをしのんだ。ミスターの名前を冠したプロアマ大会に120人が集結し「長嶋さんも幸せだと思う」。戦後の日本を象徴するスーパースターをしのび「スポーツ界の象徴。その人が残した成績は俺たちはできないけど、自分のできるものを残していきたい。残された人生で長嶋さんに一歩近づきたいし、目標にしたい。あとは、安らかにという思いです」と思いをはせた。

 自身は我孫子市、7歳上の長嶋さんは佐倉市とともに千葉県出身。幼少期は野球に励んでいた青木は、長嶋さんが立教大の野球部で活躍していた頃から憧れた。「スポーツ界、千葉県の先輩であり、目標になる人。ああいう人になりたいと思った。目標になる人がいただけで幸せ」とかみしめた。

 巨人のV9が始まった1965年頃から長嶋さんと親交を深めた。約30年前の4月頃、我孫子市で「桜を見る会」と題してラウンドをし「長嶋さん(のスコア)が73、俺が71。危なく負けそうだった」と当時を思い返した。全英オープンにともに行ったこともあり「思い出は尽きないよ」と、しみじみ語った。

 07年から長嶋さんの名がついた男子ツアー大会「長嶋茂雄招待 セガサミーカップ」が開催。主催のセガサミー社は今年は行わない予定だったが、長嶋さんを追悼するため急きょプロアマ大会を実施し、来年以降も大会継続の意向を示した。

 JGTO会長時代に、会場で長嶋さんとこの大会を見守った青木は「長嶋茂雄さんの名が永久的に残ってくれたらいいなと思う」。記憶と記録に残る大会の継承を切望した。(星野 浩司)

 ◆セガサミー里見会長「今後もやらせていただきたい」 大会を主催したセガサミーホールディングスの里見治会長(83)が競技後に会見し「(次女の)三奈さんの了解が得られれば、長嶋茂雄メモリアルという形でトーナメントかプロアマかは別として、今後もやらせていただきたい」と来年以降も長嶋さんの名前を冠した大会を継続していく意向を示した。

 長嶋さんとは三十数年前に知り合った。04年アテネ五輪の監督に就任したミスターから「野球に対するオフィシャルの仕事はこれで終わりかな」と告げられた里見会長は「ゴルフ界を盛り上げたい」という思いから、長嶋さんの名前がついた大会開催を打診した。本人は五輪直前に脳こうそくで倒れたが、リハビリ後に再びお願いして承諾を得た。

 同社は05年に男子ツアーの大会を主催し、07年から「長嶋茂雄招待 セガサミーカップ」として開催。「長嶋さんの名前を汚しちゃまずいという思いでやってきた。楽しかったことはいっぱいある」と振り返った。

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