佐藤大平が初優勝に王手 「頑張れよ。ちゃんとやってくれ」妻のゲキに応えた 初めて首位で最終日へ


単独首位に浮上した佐藤大平(カメラ・高木 恵)

単独首位に浮上した佐藤大平(カメラ・高木 恵)

◆国内男子プロゴルフツアー フォーティネット・プレーヤーズ・カップ 第3日(1日、千葉・成田ヒルズCC=7137ヤード、パー71)

 選手会主催の新規大会の第3ラウンドが行われ、4位で出たツアー未勝利の佐藤大平(クリヤマHD)が1イーグル、7バーディー、ボギーなしでこの日のベストスコア62をマークし、通算16アンダーの単独首位に浮上した。後続に3打の差をつけ、プロ10年目の32歳が初優勝へ逃げ切りを図る。

 18番で残り167ヤードの第2打を1メートル半につけ、バーディーで締めた。「ドライバーがこの3日間安定している。ストレスなくプレーできた」と振り返った。好調なショットに加え、2つの幸運も味方した。12番パー5でグリーン奥からチップインイーグル。「めちゃくちゃラッキーだった。めっちゃ強くて『あっ』と思ったやつが入った」。16番ではティーショットを右に大きく曲げたが、林を越えて隣の14番のティーグラウンドまで突き抜けた。「あれも本当にラッキー。前方に何もなくてライもよかった」。第2打でグリーンを捉え、パーで切り抜けた。

 5月の関西オープン、日本プロ選手権、ミズノオープンで3戦連続トップ10フィニッシュを飾った。今季こそ初優勝が近いと、周囲の期待もふくらんだ。「僕もそう思っていた。あんなに落ちるとは思っていなかった」。夏場は4試合連続予選落ちを経験。「ゴルフに自信がなくなった。やっぱダメなのか。悪くないのになって」

 オフのトレーニングの成果もあり、今季はドライバーの飛距離がキャリーで10~15ヤード伸びた。「もっと飛ばしたい」という欲が生まれ「ドライバーばっかり打っていた」という練習を反省し、基礎を見直した。クラブのフェースの向きの確認など原点に返り復調した。

 苦しい時期も、家族の存在が支えになった。「奥さんにはめちゃくちゃ言われた。『頑張れよ。ちゃんとやってくれ』って(笑)」。冗談めかしつつ、愛ある激励の言葉をかけられたことを明かした。「子供が3人いるんですけど、ワンオペで頑張ってくれている。本当に大変だと思う。父親がしっかり稼いでこなあかんやろうし。それでも稼いでこんから言われてもしょうがない」と受け止めた。

 今季は初優勝者が9人出ている。「初優勝ってどんなんだろうとか、やっぱり考えたりする。いつも追いかけても届かないので、逃げ切りたい」。最終日最終組は6度目だが、首位で迎えるのは自身初。悲願の1勝へ、堂々と突き進む。

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