
10番、ティーショットを放つアマチュアの松坂大輔。この日は2オーバー(カメラ・渡辺 了文)
◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン 第1日(27日、高知・Kochi黒潮CC=7375ヤード、パー72)
第1ラウンドが行われ、元プロ野球選手でレギュラーツアー初参戦の松坂大輔は4バーディー、6ボギーの2オーバー74で回り、108人中96位で初日を終えた。「上出来です。1個バーディーは取りたいなと思っていたけど、まさか4つも取れるとは」と笑顔で振り返った。プライベートラウンドでの自己ベストは70。トーナメントのセッティングでそれに近い74をマークする勝負強さを発揮した。
最終9番、右からの追い風に乗せてティーショットをかっ飛ばした。残り115ヤードの第2打を50度のウェッジでピン左1メートル弱にからめてバーディー締め。にこやかにガッツポーズを作り、ギャラリーの大歓声を浴びた。「最初は緊張しまくっていた。たくさんの人に応援されながら、気持ちよくプレーできた。同組の(宮里)優作くんと(岡田)晃平くんがリラックスさせてくれた」と感謝した。
野球とゴルフの緊張は「全然違う。人に見られる緊張感はゴルフの方が大きい」と口にした。スタート前、ゴルフシューズに履き替えぬまま練習場へ。「買った飲み物も置いてきちゃったり。練習場とロッカーを3往復ぐらいした(笑)。ああ、緊張しているなと思った」。いつもと違う自分を受け入れた。
スタートの10番ティーでの選手紹介。「平成の怪物、松坂大輔」とのアナウンスに観客が沸いた。練習グリーンにいたプロたちは動きを止めて見入った。ティーショットはフェアウェーど真ん中へ。同組で回った同学年45歳の宮里を「普通は雰囲気に飲まれるけど、朝イチのティーショットが完璧だった。思わず拍手しちゃった。ポテンシャルが違う」とうならせた。
前半15番で距離があるパットをねじ込み初バーディー。「1個取りたいと思っていたのが早めに来た。気持ち的に楽になった。(オーバーパーが)増える一方だと思っていたので。バーディーは4つだけど、増やしたり減らしたりできるとは思っていなかったから」。16番ではティーショットを右隣の15番まで曲げながら、林越えの第2打を9アイアンで正規のホールに戻し、3オン2パットのボギーでしのいだ。4番では左隣の3番まで曲げたが、ここでもボギーにとどめ、失点を最小限に抑えた。
元プロ野球選手のレギュラーツアー挑戦はデーブ大久保、桑田真澄、立浪和義、神田大介、真弓明信に続く6人目。74はデーブ大久保が2006年東建ホームメイトカップ第1ラウンドで記録した72(イーブンパー)に次ぐ好スコアだった。「本当に今日は出来すぎ。今日で終わりたいぐらい。それぐらい自分にとっては最高のゴルフができた。せめて同じぐらいのスコアで回れるように明日も頑張りたい」と気合を入れ、半袖姿のまま練習場で球を打った。

