【古賀敬之のゴルフあれこれ】  ゴルフにまつわる〝面白話〟第7弾 世界ランキングの計算法は複雑怪奇


 「世界ランク1位」だの「世界ランク50位までがマスターズへの出場資格を得る」などといった言葉をよく耳にすると思う。この「世界ランキング」というのは、トーナメントに出場することで獲得したポイントによって順位が決まるシステムだが、しかし、このポイント算出法は恐ろしく面倒。ただ獲得ポイントを単純に合計するのではなく、当該選手が出場した過去2年間のトーナメントで得た累積ポイントを微妙な計算方法を用いて出場試合数で割るなどして出した数字なのだ。

 さらに、ポイントの配分が一律ではないこと。ゴルフの試合は世界各地で行われており、出場選手よって〝試合の格〟が変化、ポイントも変わってくる。例えば、マスターズや全米オープンなど世界一流の強豪選手が揃う世界4大メジャーになると、優勝者は100ポイント、2位60ポイント、3位でも40ポイントが獲得できる。しかし、米ツアーの通常の試合なら出場選手も変わって〝格〟も下がり、優勝しても50~70ポイント。日本の試合となると、レギュラーツアーでは通常は16ポイント。日本オープンやダンロップフェニックスと〝格の高い〟試合で優勝ポイントは32ポイント程度だ。

 さらに、累積の方法も複雑。直近の13週間以内の試合で得たポイントはそのままの数字が加算されるが、それ以前(14週前以前の91週分)の試合は、週ごとに約1.09%ずつポイントが減っていく。従って、2年前に獲得したポイントは限りなく0に近くなる。そして、過去2年間に獲得したポイントを出場試合数で割るのだが、2年間での出場試合数が40試合以下の場合は出場基準試合数となる「40」で割り、出場試合数がそれ以上のケースは出場試合数に関わらず、最大52試合という制限が設けられているために「52」で割ったものがその選手のポイントとなり、順位が決まるというものだ。

 この男子の世界ランキング制度は1986年始まり、女子もこれに倣(なら)って2006年に採用した。男女とも算出方法は基本的に同じ。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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