スイング中の力の入れ方について話します。掛布さんは「野球の場合、ピッチャーが投球動作に入るまで時間があるので、リラックスして構え、球を打つ瞬間に力を入れる。ゴルフでもアドレスの時には力を抜いてグリップを握り、ボールをインパクトする瞬間に力を入れている」と話してくれましたが、これは投手が投げるまでに微妙な“間”がある野球の打撃での力の入れ方です。
一方、ゴルフは野球と違い、自分の“間”でスイングをするスポーツ。私の場合、アドレスに入る前のワッグルや素振りでは、体と精神をリラックスさせるために少し軽めにグリップを握りますが、いざアドレスに入れば常に8割の力で握っています。そして、テイクバック、トップ、ダウンスイング、インパクト、フォロー、フィニッシュまで、グリップを握る強さを変えずに振る。こうすることで、シャフトのしなりが常に一定になるのでスイングが安定してきます。
もう一つ大切なのは、アドレスからフィニッシュまで息を止めておくこと。「まるで格闘技のよう」と掛布さんが言いますが、息を止めることで最後までパワーを逃がすことなくボールに伝えることができるのです。
アドレスからフィニッシュまで8割の力でグリップし、息を止めてスイング。そうすれば方向性、飛距離ともにアップしてきます。
◆ささき しょうこ(佐々木笙子)1996年6月8日、兵庫・加古川市生まれ。19歳。クラーク記念国際高校卒。2011年、日本ジュニア(女子12~14歳の部)で優勝。15年のプロテストに2位で合格。10月の日本女子オープンで18位と活躍。今季はQTランキング36位でレギュラーツアーの出場権を獲得。マルマンとクラブ契約。170センチ、65キロ。血液型O。