【古賀敬之のゴルフあれこれ】  ゴルフにまつわる〝面白話〟第4弾 ゴルフ草創期は22ホールが基準だった


 今では、1ラウンドのホール数は18ホールが当たり前だが、何故、18ホールなのか考えたことがあるだろうか? 多くのコースがゴルフ発祥の地である聖地「セントアンドリュース・オールドコース」に倣(なら)って18ホールとしているからだが、では、どうして、その〝聖地〟が18ホールだったのか?

 実は、当初、「セントアンドリュース」も22ホールあった。そして、当時の多くのコースがこれを見習って「22ホールを基準」としたのだが、その頃のゴルフ競技というのは合計打数を競う「ストロークプレー」という概念は無く、ゴルフとは、ホールごとの「マッチプレー」で勝敗を争うゲームだった。従って、ホール数にはそれほど拘(こだわ)りが無く、10ホールでも25ホールでも良く、ホール数など厳格に定められてはいなかった。では何故、1ラウンドが18ホールになったのか…。実は「セントアンドリュースGC」の土地の一部は市から借りたものだった。そんな事情もあって18世紀半ばに市はコース側に土地の一部返還を求めた。それが、22ホールのうち4ホール分だったのだ。残ったのは18ホール。それでも「マッチプレー」で争うにはそれほど支障や障害が無かった。逆に、22ホールより18ホールの方が、時間的にも体力的にもプレーする上で都合がいい―という意識が芽生え、いつの間にか「18ホール」が基準になった。この「18ホール仕様」が決定的になったのは1860年の第1回から第12回まで全英オープンの会場になった「プレストウィックGC」が本来12ホールだったレイアウトを18ホールに拡幅して開催されたことによる。

 ほかにも、有名な説として、寒さを凌ぐためにスキットルという携帯容器で持ち込んだスコッチウイスキーを1ホールごとにキャップ1杯飲んでいくと、丁度18ホールを回った時点で空になる。だから「1打」も「1杯」も「ワンショット」という―などという説もあるが…、どうも、マユツバっぽい。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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