米ツアー3か月ぶり大会初日はのぞき見する人も…首位発進ローズ、“新様式”は「まるで練習ラウンド」


 ◆米男子プロゴルフツアー チャールズシュワブ・チャレンジ第1日(11日、米テキサス州コロニアルCC)

 世界中で中断していた男子プロゴルフがついに再開。世界最高峰の米ツアーで約3か月ぶりの大会初日は、さまざまな感染防止策がとられる中、ジャスティン・ローズ(39)=英国=とハロルド・バーナー(29)=米国=が7アンダー、63で首位に並んだ。ツアーは今後、数試合を無観客で行うなど“新様式”を取り入れる予定。松山英樹(28)=LEXUS=、小平智(30)=Admiral=、タイガー・ウッズ(44)=米国=は不出場。

 米国主要プロスポーツでいち早く、男子ゴルフが“新たな様式”で戻ってきた。7バーディー、ボギーなしのローズの圧巻のプレーにも、感染予防のために無観客で、拍手や声援はなし。ところどころでコース外からのぞき見するファンの姿もあったが、コース内は静けさに包まれた。16年リオ五輪金メダリストは「まるで練習ラウンドで競い合っているようだった」と振り返った。13番パー3でホールインワンを決めたカン・スン(33)=韓国=も「どこに行ったのか本当に分からなかった」と、グリーンに着くまで快挙に気づかなかった。

 PCR検査や検温を徹底してコースに集まり、他の選手と「2クラブの距離」を保つことが要請された再開初戦。実際にプレーが始まると、キャディーから手渡しでボールやクラブを受け取ったり、禁止の握手やハグをしてしまうなどの場面も。ローズは「習慣というのはすごい」と戸惑っていた。

 出場148選手のキャディーのポンチョ背面には、選手名とともに見慣れない名前も刻まれていた。米男子ツアーによると、地元の医療従事者の氏名だという。感謝の気持ちを、ツアー側が示した。首位と2打差7位と好発進したジョーダン・スピース(26)=米国=は「またゴルフで競争ができるようになって本当に、本当に幸せです。かなり不安だったので」と、91日ぶりのツアー再開を心から喜んでいた。

 ◆米男子ツアーが導入した主なコロナ対策

 ▼選手とキャディーには開催地への移動前から大会が終わるまで問診票の提出、PCR検査が義務づけられる。

 ▼検査で陽性反応が出た場合、ただちに指定場所で隔離される。

 ▼感染リスク軽減のため、クラブハウス内への選手の家族の立ち入りは禁止。

 ▼コーチ、通訳は打撃練習場と練習エリアは立ち入り可能。ただし、選手とは常に6フィート(約183センチ)以上の距離を保つこと。

 ▼選手とキャディーはハイタッチやグータッチ、握手などの接触行動は禁止。

 ▼コース内のピンやバンカーレーキなどの備品はプレー前に除菌される。各ホールのティーやグリーンには手の消毒ステーションを設置する。

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