ロリー・マキロイ(英国)がマスターズで史上6人目の4大メジャー全制覇へ 「勝ち取らなければならない」


 男子ゴルフの2021年メジャー初戦、マスターズは4月8日から4日間、米ジョージア州オーガスタナショナルGC(7475ヤード、パー72)で開かれる。世界ランク3位のロリー・マキロイ(31)=英国=は、史上6人目の“生涯グランドスラム”へ向けた7度目の挑戦を迎える。

 世界屈指のショットメーカーは、今年も有力な優勝候補としてオーガスタに戻ってくる。身長は178センチながら、鍛え上げた肉体からは300ヤード越えのビッグドライブを連発する運動神経抜群の男。その経歴は華々しい。2009年にプロ転向すると、23歳だった12年には欧州ツアー、米ツアーで賞金王となり、世界ランク1位も経験。“ウッズの後継者”と一躍脚光を浴びて、13年からウッズと同じナイキ社と大型契約を締結した。メジャーは11年の全米オープン、14年の全英オープン、12年&14年の全米プロ選手権を制し、4勝を挙げている。

 もしマキロイがマスターズを制すれば、男子では2000年のタイガー・ウッズ(米国)以来6人目の4大メジャー全制覇の快挙となる。実は、11年マスターズでマキロイは大きなチャンスを逃している。初日から首位を走って最終日を4打リードの単独首位で迎えた。ところが、後半に入って10番で5オン2パットのトリプルボギーで首位陥落。さらに、11番は3パットのボギー、12番は4パットのダブルボギーなど、まさかの80の大崩れで15位に終わった。

 14年にメジャー4冠に王手をかけて以降のマスターズでは15年4位、16年10位、17年7位、18年5位、20年5位と毎年のように上位争いを演じているが、勝者に贈られるグリーンジャケットにはいまだに手が届いていない。周囲からは「いつかは勝つだろう」と楽観的に言われているが「僕が戦って、勝ち取らなければならないこと」とマキロイは厳しい表情を崩さない。大会13度目の出場となる今回は、頂点だけを見据えて戦うつもりだ。

 2017年4月に元米プロゴルフ協会職員のエリカ・ストールさんと結婚。昨年8月には長女・ポピー・ケネディちゃんが誕生した。「人生観が大きく変わったよ」と柔らかな表情を見せる31歳。マキロイが、結婚後&パパとなって初のメジャー勝利をつかみ取る。

 ◆ロリー・マキロイ 1989年5月4日、英・北アイルランド生まれ。31歳。ゴルフを始めた2歳で40ヤードのショットを放った逸話を持つ。2006年欧州アマを制し翌年、プロ転向。09年、欧州ツアーのドバイ・デザート・クラシックでプロ初優勝。12年には欧州、米の両ツアーで賞金王となり、世界ランク1位に。欧州ツアー通算14勝。米ツアー通算18勝。178センチ、73キロ。家族は妻と1女。

 ◆生涯グランドスラム マスターズ、全米オープン、全英オープン、全米プロの4大メジャーを制すること。これまでにジーン・サラゼン(米国)、ベン・ホーガン(米国)、ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)、ジャック・ニクラウス(米国)とタイガー・ウッズ(米国)の5人が達成。フィル・ミケルソン(米国)、ジョーダン・スピース(米国)の2人もそれぞれ全米オープン、全米プロ選手権を残す形で4冠に王手をかけている。同一年度の4大会4連勝はいない。

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