今季国内最終戦を終えた渋野日向子は応援に感謝 12月の米ツアーQスクールへ「ちゃんと通って、来年は米国で」


1番、ティーショットを放つ渋野日向子(カメラ・渡辺 了文)

1番、ティーショットを放つ渋野日向子(カメラ・渡辺 了文)

◆女子プロゴルフツアー ▽大王製紙エリエールレディス 最終日(21日、愛媛・エリエールGC松山=6545ヤード、パー71)

 今季国内ツアー出場最終戦に臨んだ渋野日向子が5バーディー、2ボギーの68で回り、通算9アンダーで12位で終えた。最終日は地元・岡山からも子供から大人まで応援に駆けつけてくれた。「私がジュニアの時に通っていたスクールの子であったり、地元の子がみんな来てくれてめちゃくちゃありがたかったです。みんな朝早起きして来てくれたし、いいところを見せたい欲があった。格好悪い、恥ずかしいところもいっぱい見せてしまったけどボギーを打っても『ガンバレー』と言ってくれた」と感謝を込めた。

 今季国内ツアー最後の18ホールでは「少しでもいいゴルフを」と強い気持ちで出た。1番はボギー発進も、3番で10メートルをねじ込み、4番パー4では第2打をピンそば3メートルにつけて連続バーディー。9番でも伸ばした。11番ではショットでピンそば1メートルにつけて伸ばすと、15番でボギーの後、18番パー4は残り141ヤードからの第2打を7アイアンで2メートル半に寄せてバーディーで締めた。「17番で(バーディーを)取りきれなかったので、最終ホールはチャンスについた時点でここは決めなければ、と全集中してました。内容は途中まで安定して3アンダーで上がれたけど悔しい」と振り返った。

 今季は昨年6月の開幕戦、アース・モンダミンカップの予選落ちから始まった。「本当にこの1年で、ゴルフの内容、気持ちの持ちようもがらっと変わった」と口を開く。オフにはスイング改造に取り組み、海外メジャー参戦のために2~3か月程度の長期遠征も経験。昨年12月の全米女子オープンでは4位に入った。今年に入って新スイングや磨いてきた小技、コースマネジメントに手応えをつかみ始め、10月のスタンレーレディスで約2年ぶり優勝。3週後の樋口久子・三菱電機レディスも制した。

 「今までの自分にも良さはあったと思う。でも今までの自分になかったものを、今の自分は持っていると思う。2勝できてちょっとずつ大人のゴルフができていると感じている。(スイング改造は)完成度や再現性で言うと、まだまだ半分以下だと思うけど、伸びしろは感じるし、まだまだ成長できると感じている」。

 12月2~5日、9~12日には、来季米女子ツアーの出場権を懸けた計8ラウンドのQスクール(=最終予選会、米国)に出場する。この後は地元・岡山で最終調整し、来週の後半には渡米する見通し。「日に日に近づいているので緊張感は前よりも増してきているけど、まだ2週間あるし、そんなに実感もないので米国に行ってみて。ちゃんと通って、来年は米国でできるように頑張りたい。米国に行くためのスタート地点、生きてる中のひとつの出来事だと思ってやりたい」と決意を込めた。

 会見では最も大事に思っているファンへの気持ちも述べた。「2020年はコロナ禍で始まって無観客の中でも試合をやってくださって、テレビで見てくださってる方もたくさんいてくれて。有観客でやらせてもらうようになってからは、応援してくださる方の前でプレーするありがたさ、応援の大切さを改めて感じるきっかけになりました。まだこれからもっと成長して、いいプレーヤーになれるように頑張りたいと思います」と飛躍を誓った。

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