
10番から、練習ラウンドにスタートさせる中島啓太(カメラ・竜田 卓)
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー2020―21年ツアー最終戦 日本シリーズJTカップ(12月2日から4日間、東京・稲城市 東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)
国内男子プロゴルフツアーの20―21年統合シーズン最終戦のメジャー、第58回日本シリーズJTカップは2日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりカントリークラブ(CC)で開催される。昨年大会覇者や21年の大会の優勝者、賞金ランク上位者など21年を彩った王者たち30選手が集う。世代交代が一気に進んだ今年や、今大会の見どころなどをスポーツ報知のゴルフ担当記者5人が座談会で語り合った。
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斎藤成俊デスク「新型コロナウイルス感染症の影響で、20―21年が統合された前代未聞の長期シーズンとなった。昨年1月のSMBCシンガポールオープンから計30試合。同じく2年間統合で、計52試合で賞金女王争いが過去最高額の2億5500万円を超えた国内女子と比べると、派手さや大きな変化はないように見えるね?」
榎本友一キャップ「賞金額に派手さはないのですが、世代交代が著しく進んだシーズンになりました。20代の優勝者が急増したのが今季最大の特徴です。昨年からのコロナ禍で外国人選手の出場機会が激減。無観客開催大会も多く、チャンスを得た若手が重圧を感じずに伸び伸びとプレーできた影響からか、21年のツアーは23戦中16勝を20代が挙げています」
斎藤「それはすごい。おのずと今大会の出場選手も一気に若返るのかな?」
岩原正幸記者「片岡尚之、木下稜介、ツアー史上5人目のアマチュア優勝を果たした中島啓太、杉山知靖、池村寛世、スコット・ビンセント(ジンバブエ)と20代の初優勝者も今年6人誕生しました。他にも20代の金谷拓実、星野陸也、比嘉一貴、今平周吾、浅地洋佑、堀川未来夢の6人が優勝。数年前までは30~40代が中心でしたが、今年は20代がツアーの主役になりましたね」
斎藤「去年は異例の12人が初出場。今大会もフレッシュな顔ぶれなのかな?」
竹内達朗記者「そうですね。歴代王者は昨年覇者のキム、00年&02年大会を制した片山晋呉、13年&17年大会覇者・宮里優作の3人だけ。実は15、19年大会王者の石川遼も賞金ランク上位で有資格者だったのですが、米国から帰国後、新型コロナの自主隔離中に不適切な行動があり、残念ながら出場停止処分となってしまいました」
斎藤「誰が勝つか全く読めないな。サプライズVもあるかな?」
宮下京香記者「東京よみうりCCは、ツアー屈指の硬くて速い傾斜の強いグリーンが名物です。片岡、石坂友宏のパット巧者の若手にも十分チャンスがあると思いますね。世界アマランク1位の中島も総合力が高く冷静さが光ります。それにいずれもイケメンで女性人気も急上昇中です! 片岡はサッカー元日本代表DF内田篤人似。石坂は昭和の雰囲気のあるしょうゆ顔、中島は母性本能をくすぐるタイプ。2年ぶりの有観客開催で、黄色い声援の後押しも期待できます」
斎藤「となると、若手の勢いに押されがちなベテランは厳しいのかな?」
菅原美沙記者「いえいえ。43歳の谷原秀人は欧米ツアーにも参戦歴を持つパット巧者です。11月の三井住友VISA太平洋マスターズでも高速グリーンを攻略し、約5年ぶりの通算15勝目でまだまだ健在です。さらに、今大会最長の13年連続で、13度目の出場となる35歳の池田勇太も、ツアー歴代2位の12季連続優勝のラストチャンスで燃えています」
斎藤「そうか。外国人にも注目選手はいるの?」
榎本「今夏の東京五輪代表が2人います。ビンセントはジンバブエ代表で16位。元プロサッカー選手の妻・ケルシーさんをキャディーに起用して注目を集め、抜群の飛距離を武器に五輪後2勝を挙げて大ブレイク。もう一人のジュビック・パグンサンはフィリピン代表。5月のミズノオープンでは前代未聞11本の“省エネセッティング”で、セルフプレーで自らバッグを担いで初優勝して話題になりました」
斎藤「皆の話を聞いて、個性の強い精鋭30人が集まったと感じたね。松山英樹のマスターズ制覇や笹生優花の全米女子オープン優勝、稲見萌寧の東京五輪銀メダル獲得など、日本ゴルフ界にとって歴史的快挙の続いた特別な一年の締めくくり。我々も一筆入魂で、選手たちの奮闘に応えましょう」
◆大会は「TVer」で無料配信
大会の模様は、今年も「TVer」で無料配信される。3日目は8時45分から13時半まで、4日目は8時45分から12時半まで。PCやスマホ、好きな環境で視聴が可能。また、日本テレビ公式YouTubeでも同時にライブ配信される。