史上2人目のアマチュアVの石川遼が6人目の蝉川泰果を賞賛 「時代が変わりました。スケールの大きな選手が20代前半に増えた」


ティーショットを放つ石川遼 (カメラ・豊田 秀一)

ティーショットを放つ石川遼 (カメラ・豊田 秀一)

◆男子プロゴルフツアー バンテリン東海クラシック プロアマ日(28日、愛知・三好CC西C=7300ヤード、パー71)

 2007年のマンシングウェアKSBカップで1973年のツアー制施行後、2人目となるアマチュア優勝を飾った石川遼(カシオ)が前週、パナソニックオープンで同6人目のアマVを成し遂げた蝉川泰果(東北福祉大4年)を祝福した。

 パナソニックオープンは中島啓太(日体大4年)が、2021年に5人目のアマVを飾った大会でもあり「(アマチュア優勝の)頻度が上がってきましたね」と石川は笑った。5月のダイヤモンドカップ・アジアパシフィックオープンの予選ラウンドで、蝉川と同組でプレーしたことがあるという。「本当にすごい迫力のあるプレーをしますし、人間的にもすごい良い子。楽しくプレーした記憶があります。関西オープンで優勝争いをしているのも見ていて、すごい球を打つなと思った。またすごい選手が出て来たなと思う」と振り返った。

 石川がアマ優勝を飾った4年後、11年11月には同じ学年の松山英樹が三井住友VISA太平洋マスターズで3人目のアマチュア優勝を達成した。そうした相乗効果をもたらした過去の歴史もあり、「(蝉川は)すごい良い流れを生んで切れていると思う。匹敵する力を持っているアマチュア選手はまだ他にもいるというか。『俺もできる』と思う選手が増えてくると思う」と石川は、今後さらに力のあるアマが躍進する可能性も口にした。

 その要因については、近年のアマチュア競技の4日間大会の増加を挙げた。「男子は(プロもアマも)4日間大会を勝つことが求められる。僕がジュニアの頃はジュニアの大会は2日間でした。確か、日本ジュニアも3日間でしたね。(今の)アマチュア日本代表の試合は、4日間が増えてきていて。4日間で勝負をつけるのが世界の基準なので。アマの選手でも4日間力を出し続けるのはものすごいこと。アマ時代から世界の選手たちと闘ってきているので」とうなずいた。

 その上で、4人目のアマチュア優勝者の金谷拓実や中島、今季平均飛距離1位で初優勝を飾った河本力らの急速な台頭にはかつての「はにかみ王子」も驚きを隠せない。「明らかに時代が変わってきていて、スケールの大きな選手が20代前半に増えた。世界を目指している選手が」と、日本男子ゴルフ界に明るい未来をもたらす可能性を秘めた新世代の到来を歓迎していた。

 この日、ツアー通算17勝の石川はプロアマ戦などで最終調整した。2009年大会を制すなど、4度のトップ10入りの好相性大会。「先週と違って、かなりグリーンも硬く締まっているので面白いと思う。短いクラブでセカンドを打てても、ラフからだと(グリーンを狙うのは)難しい」と経験豊富な31歳は冷静に大会2勝目を見据えていた。

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