ゴルフの世界女子アマチュアチーム選手権(24日~27日、フランス・パリ近郊)の団体戦で日本歴代2番目の3位に入ったアマ女子日本代表(橋本美月、上田澪空、馬場咲希)が29日、羽田空港に帰国し、リモート会見で気持ちを語った。
個人戦でも通算6アンダーで1打差の4位に食い込んだ馬場は「良かったところはピンを狙って攻めるゴルフができた。ショットがバーディーチャンスについてくれたので、ショットと攻め方は良かったと思う。ただ、パターを入れられなかった。もっとバーディーを取れたし、スコアも伸ばせたと思う」と悔しさをにじませつつ、「団体戦はあまり経験がなかったが、ラウンド後に、みんなでグータッチをしたり、本当に楽しかった」と充実の表情で振り返った。
ラウンド中は初日、2日目に同組だったフランス選手との会話に心を弾ませたという。事前に調べたフランス語で「Je m’appelle Saki(私は咲希です)」と自己紹介するとフランス選手も喜んでくれ「(相手が)分からなかったら会話が終わっちゃうかなと思ったけど、ちゃんと伝えることができたので、外国の選手との会話がすごい楽しかったです」と海外選手との交流も満喫した様子だった。
初めてフランスでプレーし、最終日には70で回り、個人で16位の上田は「パッティングが(世界でも)通用するとも感じました。海外の難しいグリーンでも4日間で5メートル以内は、日本にいる時より入る確率が高かった。ただ、ショットの飛距離は海外の選手と10~20ヤード違ってパー5ではセカンドショットでグリーンを狙うのが当たり前で、そこで差がついたと思う」と総括した。その上で「団体戦は個人戦にはないワクワクした雰囲気でした」とうなずいていた。
チーム最年長19歳で、最終日に68の猛追でチームスコアに貢献した橋本は「初日から3日まで納得のプレーができなくて悔しかったけど、その中でもアイアンショットは自信があって、難しいところからでも攻めてプレーできたのは良かった。ただ、ショートゲームの特にアプローチではシビアのパーパットを残すことが多かったので、精度はもっと上げて行く必要があると感じた」。馬場がアマ日本代表入り後初めてチームを組み「話したことがなかったので不安もあったけど、2人とも面白くて仲良くやれたし、刺激を与え合えた」と笑顔を見せた。
初日と3日目は2024年パリ五輪の開催コース「ル・ゴルフ・ナショナル」でプレーした。17歳の馬場は「コースは難しかったが、精神的な面でも攻略するぞ、と思えたのは良かった。五輪は将来の夢の舞台というイメージなので、そこに立ちたいし、そこでプレーするために今、一生懸命頑張ろうと思います」。橋本も「自分は最後までこのコースを攻略することができなかった。自分に必要なことに気づけました。いつか五輪に出場してリベンジしたいです」。上田も「24年に限らず、五輪に出られるように頑張りたいです」とそれぞれ思い描いた。
3人は将来的にプロ選手になることが目標の一つだ。昨年のアジア太平洋アマ選手権を制した強豪・東北福祉大2年の橋本は「プロテストを受けるタイミングは分からないが、必ずプロになって将来は世界で戦えるように」。高校2年生の上田は「いつテストを受けるか分からないが、プロになるつもりでいます」と掲げた。上田と同学年の馬場は来年の日本のプロテストを受験予定で「夢は海外メジャーで優勝すること。将来はアメリカのLPGAツアーで戦える選手になりたい」と言葉に力を込めた。ひと夏の経験を糧に、3人の有望株は成長を遂げる。
◇世界女子アマチュアチーム選手権 国際ゴルフ連盟が主催し、2年に一度の開催。1964年に第1回がフランスで行われ、服部道子、宮里藍らが出場した。2020年は新型コロナの影響で中止。86年に服部、18年に安田祐香が個人で2位、同年は団体でも日本女子歴代最高の2位に入った。大会は各チーム2~3人で構成され、56の国・地域が参加。ストロークプレーの個人戦と各チームで上位2人の成績をその日のチームスコアとし、4日間の合計で争う団体戦が行われた。