「いいスタートが切れたので気持ち的に楽になった」松山英樹が優勝した21年以来のイーグルで一気に逆転圏内5差12位浮上


◆米男子プロゴルフツアー マスターズ 第2日(11日、ジョージア州オーガスタ・ナショナルGC=7555ヤード、パー72)

 【オーガスタ(米ジョージア州)11日=高木恵】首位と8打差の38位で出た2021年大会覇者の松山英樹(33)は1イーグル、4バーディー、2ボギーの68で回り、通算3アンダーでトップと5打差の12位に浮上した。優勝した2021年第3ラウンド(R)以来のイーグルで波に乗り、4年ぶり2度目の制覇へ、逆転圏内に順位を上げた。メジャーでの予選突破は出場19大会連続となった。ジャスティン・ローズ(英国)が8アンダーで首位を守った。

 パトロン(観客)の「ゲットインザホール」の絶叫が、2番パー5でこだました。松山が5番アイアンを握った残り246ヤードの第2打は、グリーンに着弾。ピン方向に向かって転がり、カップ左を抜けた。1メートル強を沈め、イーグルを奪取。「いいスタートが切れたので、気持ち的に楽になった」。大会第2Rの自己ベストに並ぶ68をマークし、一気に逆転圏内に突入した。

 16ホールでグリーンを捉え、パーオン率は全体1位の88・89%を誇るなど、前日に続きショットが好調だ。前週から投入した新ドライバー「スリクソンZXi LS」の安定感も光り、フェアウェーを外したのは1番の1ホールだけ。オーガスタ・ナショナルで4年ぶりに投入した3番アイアンも躍動した。13番パー5の残り235ヤードの第2打で握ると、ピン左手前15メートルに運んでバーディーを奪った。大会11年連続、メジャーでは出場19大会連続となる決勝ラウンド進出を上位で決めた。

 大会前に2戦連続予選落ちを喫して迎えた大一番だった。前週のテキサス・オープンから、内容の充実にスコアが伴わないラウンドが続いていたが、自分を信じ、準備を重ね、その時を待った。第1Rの13番パー5では完璧な一打がピンにはね、グリーン手前のクリーク(池)へ消える不運なダブルボギーにも見舞われた。心が折れそうな事態にも闘志を捨てることはない。この日の反撃につなげた。ショットでつけた3メートル以内のチャンスは7度あり、決め切れたのは4ホール。欲を言えばさらに伸ばせたようにも見えるが、「終わったことなので」と、視線を前だけに向けた。

 練習場で調整を続けることが多い松山が、初日から2日連続でラウンド後に直帰した。それだけ本人の中でも、ショットの状態がいいと映る。「今日みたいに良いショットを打ってチャンスにつけ続けて、パッティング次第というところにできたら。気持ちをフラットにして、トップとの差を少しでも縮められるように頑張りたい」。ビッグネームが上位に顔をそろえる中、21年大会覇者の存在感が増してきた。

 ◆マスターズでのイーグル 達成回数分のクリスタル製ペアグラスが贈られる。松山は日本人最多計8回達成。15、17、21、25年大会でいずれもパー5で記録。2番で2回、8番で3回、13番で1回、15番で2回。最多はジャック・ニクラウス(米国)の24回。

◆松山に聞く

 ―一日を振り返って。

 「少し風が強いコンディションだったけど、うまくプレーできたかなという感じ」

 ―第3Rに向けてはどんなところを修正したい。

 「変わらずいいプレーをできるようにしたいなと思っている」

 ―前夜の雨でコースコンディションに変化は。

 「少しグリーン上がソフトになっていたので、攻めやすかったというのはある」

 ―グリーンが少し遅いと感じるところは。

 「スピードに関しては、この風なので、あまり変わらない感じはした」

 ―第2Rのピン位置で読みづらいラインがあったか。

 「(このコースは)どのピンポジションでも難しいので」

 ―決勝ラウンドに向けて。

 「いいプレーをするだけです」

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