
ツアー初優勝を果たし、笑顔でトロフィーを掲げる佐藤大平(カメラ・宮崎 亮太)
◆国内男子プロゴルフツアー フォーティネット・プレーヤーズ・カップ 最終日(2日、千葉・成田ヒルズCC=7137ヤード、パー71)
プロ10年目の32歳、佐藤大平(クリヤマHD)が7バーディー、3ボギーの67で回って通算20アンダーで逃げ切り、男子ツアー史上最多となる今季10人目の初優勝者となった。昨年末に生死をさまよった8歳の長男のために覚悟を決めて臨んだシーズンで悲願を果たし、新規大会の初代王者に戴冠。最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(12月4~7日、東京よみうりCC=報知新聞社主催)の出場資格を初めて勝者として手にした。
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佐藤のゴルフ人生において、東北福祉大の2学年先輩の松山英樹(33)の存在は大きい。5年前には米国で合宿を行うなど交流は続いている。「兄のような人。ゴルフのことを相談するのはいつも松山さん」。人として、ゴルファーとして全幅の信頼を置いている。そんな松山からの忘れられない一言がある。
20年のフジサンケイクラシック最終日。佐藤は17番で3パットのボギーをたたき、1打足りずにプレーオフに進めなかった。試合後に連絡があった。「あの3パットのことを思って練習するのだけはやめろ」。苦手な上りのスライスラインスだった。執着しすぎることで出口が見えなくなることを案じたものだった。「後からその言葉の意味が分かった」。パッティングに悩んだ時期も乗り越え手にした1勝に、兄貴への感謝があふれた。(高木 恵)

