世界へ羽ばたく前の特別な1勝 男子ゴルフ・杉浦悠太の”決断” 


優勝トロフィーを手に笑顔の杉浦(カメラ・高木 恵)

優勝トロフィーを手に笑顔の杉浦(カメラ・高木 恵)

◆男子プロゴルフツアー ACN選手権 最終日(9日、兵庫・三木GC=7004ヤード、パー71)

 降雨によるコースコンディション不良のため最終ラウンドは中止になり、54ホールの短縮競技になった。前日の第3ラウンドを終えて通算13アンダーで首位だった杉浦悠太(24)=フリー、写真=が、昨年7月の日本プロ選手権以来となる今季初優勝。通算3勝目を挙げ、挑戦中の米ツアー予選会に弾みをつけた。来年日本で開催される米ツアー「ベイカレント・クラシック」の出場資格も獲得した。石川遼(34)=カシオ=は7位で3試合連続トップ10。

 中止が決まった午前9時過ぎ。冷雨が降る空の下、杉浦は祝福のウォーターシャワーを浴びた。「寒かったけどうれしかった。プレーして優勝が一番気持ちいいけど優勝に変わりはない。本当にうれしい」。シーズン終盤に手にした1勝に安堵の笑みが漏れた。

 10月に米ツアー1次予選会を突破した。11月のダンロップフェニックス後の賞金ランク5位までは2次から挑めるが、待たずに海を渡った。「そこに入れなかったら受けずに終わることになる。それは一番寂しいのでトライしてみようと思った」。この勝利で12月の2次に弾みをつけ「かなりいい流れ」と自信を深めた。

 23年のダンロップフェニックスでアマチュア優勝し、昨年はメジャーの日本プロを制した。「年間2勝したいと思って臨んだシーズンだったけどうまくいかず、ようやく勝てた。苦労した分、これまでの優勝とは違う」。世界へ羽ばたく前の、特別な1勝になった。(�\xAB\x98木 恵)

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