【古賀敬之のゴルフあれこれ】  第八回 「いちアンダー」も「サーティーン・アンダー」など聞いたことが無い


 聞きなれてしまえば、どうってことも無いかもしれなし、それによって大勢に影響を与えるということもないので、放っておいてもいいのだが、じっくり聞いてみると和洋折衷も甚だしい表現がまかり通っている。これが視覚に訴える〝活字〟として捕らえるのなら、全く問題はないのだが、いざ〝音〟になった場合はメチャクチャ。つまり、テレビやラジオの放送で〝音声〟として流れるケース。こんなアナウンスを聞いたことはないだろうか?

 「青木プロはテン・アンダー(-10)で3位につけています。トップの尾崎プロはジュウハチ・アンダー(-18)。2位の中島プロとはファイブ・ストローク(5打)の差です」

 何がおかしい? どこが変なのか? あまりにも日常過ぎて、すぐには気がつかないかもしれない。放送業界などでは、厳格に言葉の使い方などが訓練されているのだが、ゴルフの放送に関しては、単なる数字を表す言葉であるにも関わらず、英語と日本語がめちゃくちゃに入り混じっているのだ。このことに気づいて欲しい。

 ワン(1)、ツー(2)、スリー(3)から始まって、テン(10)くらいまではなぜか英語。しかし、「11」を超えると、いきなり日本語になってしまう。トゥエルブ・アンダー(-12)、サーティーン・アンダー(-13)。トゥエンティワン・アンダー(-21)なんて耳にしたことがない。逆に、「イチアンダー」や「ニアンダー」というのも滅多に聞かれない。日英混合もこれだけ定着してしまえば、「フ~ン…」と特別な反応無しですますしかない…のだろうか? ちなみに正式には「1アンダー・パー」。「パー」の部分は活字での表現でも省略している。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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