【古賀敬之のゴルフあれこれ】  第二十回 日本生まれのゴルフ用語が多いので海外でのプレーではご注意を


 これまでゴルフにおける和製英語を数々並べてきたが、グリーン上でのスライスライン、フックラインやチップインなどの一部の誤用の用語以外は、実にうまく言い表していると思う。正に「言い得て妙」な和製用語だ。昔から日本人は、外国から伝わってきた文化を進んで取り入れ、それらを独自に咀嚼して「自国の文化」として発展させて来た。クリスマスを祝って盛大に騒いだら、すぐにお正月。バレンタインデーでチョレート業界が潤い、最近では欧米の〝お盆〟ともいうべきハロウィーンまでがイベント化され渋谷には若者が溢れる。教会で結婚式を挙げ、子供の七五三を神社で祝い、葬式はお寺で、というのが〝日本の標準〟。電源のコンセントも、正式には、壁側についているのがソケット(英)、またはアウトレット(米)で、器具についているのがプラグなのだが、ソケットだのアウトレットだのはあまり聞かれない。アウトレットはもうショッピングセンターと同義語。英語のコンセント(綴りが異なる)には電源に関する意味合いはないが、それでも、日本にその名が根付いて、全国どこでも十分に意味が通じている。

 前にも書いたが、携帯番号を聞かれ「ゼロ、キュウ、ゼロ…」と答える人がほとんど。「レイ、キュウ、レイ…」などの言い方はほとんど〝死語〟かもしれない。要は「ギャル語」と同じで、その事象がうまく表現され、相手に通じればいい。

 これまで挙げてきた和製英語ともいえるゴルフ用語に関しては、「小知識」として酒の席での話題やネタになれば十分。但し、ネイティブ・スピーカーとの会話の中で使うのは避けたほうがいい。通常は理解されずに 首を捻られてしまうのがオチだからだ。くれぐれもご注意を…。

 

 ◇古賀 敬之(こが・たかゆき)
1975年、報知新聞社入社。運動部、野球部、出版部などに所属。運動部ではゴルフとウィンタースポーツを中心に取材。マスターズをはじめ男女、シニアの8大メジャーを取材。冬は、日本がノルディック複合の金メダルを獲得したリレハンメル五輪を取材した。出版部では「報知高校野球」「報知グラフ」編集長などを歴任。北海道生まれ、中央大卒。

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