スポーツ報知読者の皆さま、ゴルフファンの皆さま、本年もご愛読ありがとうございました。3月からゴルフ担当に就任した武藤が初めてのゴルフ取材で驚いた「10大ニュース」を勝手に発表させていただきます。実際に私がツアー取材で見聞きした事柄に限定させていただきますので、実際のゴルフ界の「10大ニュース」とは大きく異なると思いますが、ご容赦ください。では10位から発表させていただきます。
⑩武藤俊憲プロ、ISPSハンダグローバルカップで今季初優勝
この大会が初めての男子ツアー取材。同姓の武藤プロがフィリピンのアンジェロ・キューとのプレーオフを2ホール目で制しました。実は初日のスタートホールのアナウンスで「よしのり」と某日本代表サッカー選手の名前と間違われてしまったそうですが、そんな珍事も笑い飛ばせる見事な勝利でした。
⑨篠原真里亜プロが新人戦制す
12月上旬に行われた女子の新人戦。今年のプロテスト合格者で争われ、篠原プロが通算7アンダーで一生に一度のチャンスをものにしました。実家は大分県内で「二匹の鬼」という名の旅館を経営しており、篠原プロもオフは”若女将”になってお手伝いしているそう。母は旅館の切り盛りをしているため祖父母がツアーに帯同。キャンピングカーを運転する祖父の敦さん、料理を担当する祖母の美千代さんも大喜びでした。
⑧藤田寛之プロ、日本シリーズ出られず
藤田プロは弊社主催の男子ツアーメジャー最終戦、日本シリーズJTカップに昨年まで10年連続で出場。2010年から3連覇も達成した「シリーズ男」ですが、今年は未勝利で賞金ランクも31位で切符をつかめませんでした。シーズン終盤は「何とかして出たい」と繰り返し、私に向かって「何とかしてくださいよ。報知新聞に(出場志願の)手紙を書こうかな」と”懇願”されていましたが、イチ平社員の私では大会の規定は変えられません(笑い)。来季は東京よみうりでお待ちしています!
⑦渡辺彩香プロ、地元に錦飾る
私と同郷の女子の渡辺プロが掛川・葛城GCで行われたヤマハレディースで今季初勝利。「静岡出身の選手が静岡開催の大会で勝つのは史上初」だったそうです。今季は自身初の年間2勝で賞金ランクも日本勢トップ。静岡県の皆さま、来年1月に静岡版で渡辺プロの新春インタビューをお届けします(掲載日未定)。お楽しみに。
⑥石川遼プロが珍しく…
9月のダイヤモンドカップで石川プロを初めて”生取材”しました。大会前の練習ラウンド、報道陣も付いて回ったのですが、ドライバーが不調。左の林に打ち込んだ一打に「よう曲がるわ~」と思わず関西弁でつぶやいていました。今季は日本で2勝。米ツアー初優勝にも期待がかかります。
⑤小平智プロと古閑美保さんの熱愛発覚
ゴルフ界にビッグカップルが誕生しました。熱愛報道後、初めて古閑さんが口を開いたのがテレビ解説を務めていたサマンサタバサレディースでした。周囲に他紙の記者の姿もなく、突撃取材すると「彼は現役ゴルファーとして活躍しているし、尊敬しています。順調にお付き合いさせてもらってます」などと、笑顔でお答えいただきました。お幸せに!
④ニューヒロイン誕生の予感
女子の最終プロテストで2日目終了時に83位に沈んでいた鈴木麻綾プロが、残り2日間で13もスコアを伸ばして大逆転で合格。小1から中2まで続けたヒップホップダンスで養った、柔らかな体からナイスショットを連発しました。三重・松阪市出身で「牛肉は大好きです」と笑うルーキーに、皆さまご注目ください。
③ゴルフ界初?の二刀流
ダンロップ・スリクソン福島オープンで初めて取材したのがゴルフ界では異例の左右両打ちの使い手、アマチュアの高橋慧選手(開志学園高3年)でした。小学生の時、父の友人から偶然もらった左打ち用クラブが転機となったそうで、器用に打ち分けていました。将来は米ツアー進出をもくろむ新星に期待です。
②イ・ボミプロは心遣いも「女王」
今季の女子ツアーの「顔」と言っていい韓国のイ・ボミプロ。説明いらずとは思いますが男子の伊澤プロを超える獲得賞金の新記録を打ち立てて賞金女王に輝くなど、まさに「ボミちゃんのための一年」でした。ゴルフのうまさはもちろんですが、その人柄も多くの関係者から称賛されています。11月末のエリエールレディスではプレスルームに段ボール4箱が運び込まれました。中身は高級なお菓子の詰め合わせ。何とボミプロが「1年間、お世話になった報道の方にお礼です」と差し入れてくださったのです。来年も「ボミちゃんスマイル」たくさん、見せてくださいね!
①吉田弓美子プロの優勝飯は…
さて1位に輝いたのは女子の吉田弓美子プロ。読者の皆さまは「なぜ?」と思われるかもしれませんが、今年一番私が驚き、現場で笑わせてもらったできごとがありました。
リゾートトラストレディスで惜しくも2打差3位に終わった吉田プロ。前週の中京テレビ・ブリヂストンレディスで2年ぶりに優勝し、賞金1260万円をゲットしていただけに、囲み取材中、「先週、優勝した夜は何を召し上がったのですか?」と尋ねると、何と「吉野家の牛丼」と返ってきて仰天しました。てっきり焼き肉とか高級ワインとか返ってくると思っていたのに。実は翌日の仕事に備えて愛知から埼玉に移動し、深夜に到着したため開いているお店がなかったそうです。さらにこのできごとをツイートすると吉野家の関係者の方から「名前入りどんぶりを送らせてください」との申し出を受けたとのこと。後日、吉田プロに「どんぶり届きましたか?」と聞くと「飾ってあります~」と笑っていました。
【番外編】ヨネックスレディスが日本一
さて、番外編です。ツアー取材に出ると週の半分以上が出張になります。となると、気になるのが当地のグルメ。今年「すごい」と感じたのが新潟・ヨネックスCCで行われるヨネックスレディスのギャラリープラザ。海の幸満載の海鮮丼などメニューが豊富で、期間中、飽きずに楽しめました。ヨネックスの関係者も「うちはコースのアップダウンが大変だけど、ギャラプラは日本一を目指しているから」とニヤリ。ゴルフと一緒に「食」も魅力な大会です。
今年は男女とも外国勢の躍進が目立ちましたが、2016年はゴルフ界にとってどんな年になるでしょうか。ベテランの奮闘からニューヒーロー/ヒロインの誕生まで、皆さまにお楽しみいただける原稿をお届けできるよう、私も頑張ります。1年間、ありがとうございました。
◇武藤 瑞基(むとう・みずき)
静岡県生まれ。静岡大卒業後、2009年に報知新聞社入社。2年目に担当したプロ野球のロッテがいきなり日本一になり、静岡支局時代は磐田がJ2に降格するなど 嵐を呼ぶ 男。15年からゴルフ担当。