【藤田光里の魅せるゴルフ】(1)力強いドロー打つには左肩回してヘッド振り切れ


今、日本女子ツアーで最も光り輝いているプロが、藤田光里(ひかり、19)=レオパレス21=だ。ツアー本格参戦1年目ながら、すでにトップ5入りが3回。ツアー初優勝の期待が高まっている。持ち球はドローボール。ドライバーの飛距離は270ヤードを誇る。スケールが大きい美人プロが“魅せるゴルフ”の神髄をレッスンする。

藤田光里の一番の魅力は豪快なドライバーショット。強弾道のドローボールで270ヤードをかっ飛ばす。ドローの利点は。

「ドローは転がりがいいので距離が出ます。風にも強いです」

アマチュアの約7割は弱々しいスライスボールに悩んでいると言われている。ドローを打ちたいのにスライスになってしまうのは?

「プロアマ戦で一緒に回るお客さんを見ていると、ボールに当てにいく人が多い。しっかりヘッドを振り切っていないから、スライスになってしまうのだと思います」

スライスを直すには。

「素振りが有効だと思います。ボールがあるから当てにいってしまうわけですから。私は北海道で生まれ育ちました。冬の間は練習場も休みになることが多く、ボールを打てませんでした。ジュニア時代、冬には一日1000回くらい素振りをしていました。毎日の素振りで今の球筋が身についたと思います」

素振りでの注意点は。

「スライスになってしまう人は、バックスイングを腕だけで上げていることが多い。左肩をしっかり回して、大きなスイングアークをイメージすれば、スライスが直って飛距離がもっと出ると思います」

素振りで基本を固め、コースへ。力強いドローを打つには。

「絶対にドローを打つという意識を強く持つ。アドレスが大切です。フェースはフェアウエーの中央に向けたまま、スタンスの向きをフェアウエー右サイドにするために、右足を少しだけ引いてクローズにする。インパクトではボールの後ろを見るイメージで頭を出来る限り残して、しっかりと振り切る。そうすれば自然とボールはフェアウエー右サイドに飛び出し、気持ちのいいドローボールがフェアウエーの真ん中に帰ってきます。アドレスでは右足を引きすぎないように気をつけてください。極端なクローズドスタンスになると、引っかけたボールが出てしまいます」

多くのプロはドローよりもフェードを好む。ドローが持ち球のプロが、フェードを打つためにスイング改造し、失敗することも多い。しかし、光里に持ち球に信念を持っている。

「3歳でゴルフを始めた時からドロー。私はドローボールでツアーを戦い抜きます」

この覚悟が、光里のドローボールの力強さの源になっている。

(取材、構成・竹内 達朗)

◆藤田光里のクラブ ▽1W=ビッグバーサα(ロフト角8・5度、シャフト長さ46インチ、硬さS)▽3W=Xホット2▽3、4U=Xホット2▽5~9I、PW=エーペックス▽ウエッジ47度=マックダディ2▽ウエッジ52度、56度=マックダディ2ツアーグラインド▽パター=オデッセイホワイトダマスカス#9HT(すべてキャロウェイ)

◆藤田 光里(ふじた・ひかり) 1994年9月26日、札幌市生まれ。19歳。ハンディキャップシングルの父・孝幸さん(61)の影響で3歳からゴルフを始める。札幌市立西岡中3年から北海道女子アマチュア5連覇。昨年3月、飛鳥未来高卒業。同年8月のプロテストに6位で一発合格。同年12月には新人戦加賀電子カップ優勝、ツアー出場権を争う最終予選会で1位となり、今季からツアーに本格参戦。家族は父、母・美香さん(45)、妹・美里さん(18)、弟・亜久里君(16)。165センチ、56キロ。

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